鍼灸なぜ効くの?|鍼灸の世界・4

鍼灸のメカニズム – なぜ効くの?

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このシリーズでは、鍼灸の世界をより身近に感じていただけるよう、様々な情報をお届けしています。

今回は第4回目。
「鍼灸って名前は聞いたことがあるけれど、一体なぜ身体に良い影響があるの?」そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、鍼灸がどのように私たちの身体に作用するのか、そのメカニズムについてわかりやすく解説していきます

「なんだか難しそう…」と感じた方もご安心ください。
東洋医学の専門知識がない方にも、興味を持って読んでいただけるように、身近な例え話なども交えながらお伝えしていきますね。

たとえば40代の女性の皆さまは、仕事や家事、育児などで日々忙しく過ごされていることと思います。
身体の不調を感じることも少なくないのではないでしょうか?

「最近疲れが取れにくい」「肩や首のこりがひどい」「なんだかイライラしやすい」

もし、このような悩みを抱えているなら、鍼灸があなたの力になれるかもしれません。

気血の流れを整える: 生命エネルギーを活性化

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東洋医学では、私たちの身体には「気(き)」と「血(けつ)」という2つの重要な要素が流れていると考えられています。

「気」は、生命活動を支えるエネルギーのようなもの。元気の「気」と同じイメージです。

そして「血」は、身体に必要な栄養を運ぶ血液のこと。

この「気」と「血」がスムーズに全身を巡ることで、私たちは健康な状態を保つことができると考えられています。

しかし、ストレスや疲労、不規則な生活習慣などが原因で、「気」や「血」の流れが滞ってしまうことがあります。

例えるなら、川の流れが滞って淀んでしまうようなイメージで、流れが滞ると、身体の様々な部分で不調が現れてしまいます。

ストレスや不摂生、加齢によって、この「気」と「血」の流れが滞ると、肩こりや冷え、疲れやすさなどの不調が現れます。

例えば、「気」の流れが悪くなると、やる気が出なかったり、胃腸の働きが低下したりします。

一方、「血」の巡りが悪いと、手足の冷えや顔色の悪さ、慢性的な肩こりなどの症状が出やすくなります。

そこで登場するのが鍼灸です。

鍼治療では、髪の毛よりも細い鍼を使って、身体の要所要所にある「ツボ(経穴)」と呼ばれる場所に、ほんのわずかな刺激を与えます。

お灸治療では、もぐさという植物性の素材を温めて、同じようにツボを温めます。

これらの刺激によって、滞っていた「気」と「血」の流れが再びスムーズになり、全身のバランスが整っていくと考えられています。

私たちの鍼灸院では、まず脈やお腹の状態、舌の色などを丁寧に診察し、東洋医学の視点からあなたの身体の状態をしっかりと把握します。

そして、一人ひとりの状態に合わせて、最適なツボを選び、丁寧に施術を行います。

「鍼は痛そう…」「お灸は熱そう…」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、当院の鍼はほとんど痛みを感じないほど細いものを使用しています。
お灸も、じんわりと心地よい温かさで、リラックス効果も期待できます。

長年の臨床経験から培われた技術で、あなたの身体が本来持っている「元気」を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

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神経系への作用: 痛みを抑制し、リラックス効果

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鍼灸のもう一つの重要なメカニズムとして、神経系への作用が挙げられます。

私たちの身体には、様々な情報を伝達する神経というネットワークが張り巡らされています。

痛みを感じたり、リラックスしたりするのも、この神経系の働きによるものです。

鍼治療によってツボが刺激されると、その刺激が神経を介して脳に伝わります。

脳は、その刺激に応じて、痛みを和らげる効果のある物質(例えば、エンドルフィンなど)を分泌したり、筋肉の緊張を緩める指令を出したりします。

これは、例えるなら、パソコンのキーボードを叩くと、その情報がコンピューターに伝わり、様々な処理が行われるのに似ています。
鍼の刺激が、身体というコンピューターに働きかけるスイッチのような役割を果たすのです。

特に40代の女性は、ホルモンバランスの変化などによって、肩こりや腰痛、頭痛といった慢性的な痛みに悩まされることも少なくありません。

鍼灸は、このような慢性的な痛みを和らげる効果が期待できます。

また、鍼灸の施術を受けると、心身ともにリラックスできると感じる方も多くいらっしゃいます。

これは、鍼の刺激が自律神経のバランスを整える働きがあるためと考えられています。

自律神経は、活動時に働く「交感神経」と、リラックス時に働く「副交感神経」からなりますが、ストレスが続くと交感神経が優位になり、緊張状態が続いてしまいます。

鍼灸によって副交感神経が優位になると、筋肉の緊張がほぐれ、血流が良くなり、深いリラックス状態へと導かれます。
その結果、ストレスによる肩こりや頭痛、不眠などの症状が改善しやすくなるのです。

鍼灸によって自律神経のバランスが整うことで、心身がリラックスし、質の高い睡眠や安定した精神状態を取り戻すことができるでしょう。

当院では、施術中も患者さんの状態をチェックし、声かけをしながら安心して施術を受けていただけるように心がけています。

「今日は特に肩が凝っている」「最近眠りが浅い」など、気になることがあれば、遠慮なくお伝えください。
あなたの状態に合わせて、より効果的な施術を行います。

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免疫力アップ: 病気になりにくい身体へ

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最後に、鍼灸が私たちの免疫力アップにどのように貢献するのかについてお話しましょう。

免疫力とは、私たちの身体が病気やウイルスから身を守るための力のことです。

免疫力が低下すると、風邪をひきやすくなったり、なかなか治らなかったり、様々な病気にかかりやすくなってしまいます。

東洋医学では、免疫力は全身の「気」「血」「水(すい)」のバランスが整っていることで維持されると考えられています。

「水」とは、血液以外の体液のことで、身体の潤いを保つ役割があります。

鍼灸によって「気」「血」「水」の流れがスムーズになると、身体の機能が正常に働き、免疫細胞の働きも活性化されます。

これは、例えるなら、健康な土壌で育った植物は病害虫に強いのと同じです。
身体の土台が整うことで、病気に対する抵抗力も高まるのです。

鍼灸を受けることで、白血球の働きが活性化され、体が外部からのウイルスや細菌に対して強くなります。

また、腸の働きを整えることも、免疫力アップには欠かせません。
東洋医学では、「腸は免疫の要」と考えられており、腸内環境が乱れると風邪をひきやすくなったり、アレルギー症状が出やすくなったりします。

鍼灸でお腹のツボを刺激することで、胃腸の働きを良くし、栄養の吸収を高め、全身の免疫力を底上げすることができます。
さらに、血流が良くなることで代謝も活発になり、疲れにくい健康な体を作る手助けをしてくれます。

さらに当院では、がんの代替療法として、抗がん剤の副作用対策にも力を入れています。
抗がん剤治療によって免疫力が低下している患者さんに対しても、鍼灸は有効な手段の一つとなり得ます。

「最近、疲れやすくなった」「風邪をひきやすい」と感じている方は、鍼灸で身体の内側から免疫力を高めてみませんか?

私たちの鍼灸院では、単に症状を和らげるだけでなく、体質改善を重視した施術を行っています。

慢性的な不調を根本から改善し、病気になりにくい健康な身体づくりをサポートさせていただきます。

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まとめ

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今回は、鍼灸のメカニズムについて解説しました。

鍼灸は、

■気血の流れを整え、生命エネルギーを活性化させる

■神経系に作用し、痛みを抑制し、リラックス効果をもたらす

■免疫力をアップさせ、病気になりにくい身体へと導く

…といった様々なメカニズムによって、私たちの健康をサポートしてくれるのです。

「へえ、鍼灸ってそんなに色々な効果があるんだ!」と感じていただけたら嬉しいです。

当院では、臨床歴25年以上、延べ4万人以上の施術実績を持つ院長が、あなたの悩みに寄り添い、丁寧に施術を行います。

時間をかけてお話を伺い、わかりやすく説明することを大切にしていますので、どんな些細なことでも安心してご質問ください。

マッサージや整体といった施術は行わず、鍼とお灸の専門施術で、あなたの身体が本来持っている力を引き出します。

関心をもっていただけましたら、ぜひ活用してみてください。

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