生理痛に効くツボ

生理痛(月経痛)に効くツボ

生理痛のセルフケアお灸

「生理痛はあって当たり前」と思っていませんか?

毎月のように訪れる生理痛に、鎮痛剤が手放せないという方も少なくないかもしれません。
しかし、東洋医学では「生理痛はないのが正常」と考えています。

つまり、生理痛があるということは、体質的な原因が潜んでいるサインなのです。
今回は、生理痛でお悩みの方に参考になるような、生活習慣改善のアドバイスやセルフケアお灸に良いツボをご紹介します

東洋医学から見る生理痛の原因

東洋医学では、生理痛は「冷え」「血行不良(動かない)」「ストレス」「疲れ」の4つの要因で強まると考えます

これらの要因は相互に影響し合い、症状を悪化させることもあります。
逆に言えば、これらの要因を改善することで、生理痛は自然と緩和されていくのです。

生理痛を緩和する日常生活の改善

ちょっとした工夫で、生理痛はぐっと楽になることがあります。
日常生活では、以下の4つの対策を意識してみましょう。

冷え対策

冷えは血行不良を招き、生理痛を悪化させる大きな要因です。
とくに下半身の冷えは、子宮や卵巣への血流を滞らせ、痛みを引き起こしやすくなります。

下半身の保温:
デスクワーク中は、毛布やひざ掛け、腹巻きなどを活用し、腰回りを温めましょう。
カイロを下腹部や腰に貼るのも効果的です。

半身浴:
ぬるめのお湯にゆっくりと浸かる半身浴は、身体を芯から温め、リラックス効果も得られます。
読書や音楽鑑賞をしながら、心地よい時間を過ごしましょう。
入浴剤やアロマオイルを加えることで、さらにリラックス効果を高めることができます。
ただし、のぼせないように注意し、水分補給を忘れずに行いましょう。

温かい飲食:
冷たい飲み物や食べ物は身体を冷やし、血行を悪くします。
できるだけ常温か温かいものを摂るように心掛けましょう。
とくに生理期間中は、冷たい飲み物を避け、温かいスープや白湯などを積極的に摂るようにしましょう。

動かない対策

長時間同じ姿勢でいることは、血行不良を招き、生理痛を悪化させる原因となります。

こまめな休憩:
デスクワークなどで長時間座りっぱなしの場合は、30分に1回程度立ち上がり、軽いストレッチやウォーキングをしましょう。

軽い運動:
ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、血流を促進し、身体を温める効果があります。
無理のない範囲で、継続的に行うことが大切です。
お家で簡単なストレッチをするだけでも効果があります。

疲れ対策

睡眠不足は疲労を蓄積させ、身体のエネルギー不足を招きます。
これは、気血の巡りを阻害し、生理痛を悪化させる要因となります。

質の高い睡眠:
十分な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠を心掛けましょう。
就寝前にリラックスできる環境を整えたり、カフェインの摂取を控えたりするなどの工夫も大切です。

ストレス対策

ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、ホルモンバランスにも影響を与えます。
これは、生理痛だけでなく、PMS(月経前症候群)などの様々な不調の原因となります。

リラックスタイム:
自分なりのリラックス方法を見つけ、積極的に取り入れるようにしましょう。
アロマテラピー、音楽鑑賞、読書、散歩など、自分が心地よいと感じることを行い、心身をリフレッシュさせることが大切です。

生理痛対策におすすめのツボ

痛みを和らげ、体質を改善を促す、セルフケアのお灸やツボ押しなどを行ってみてください。

ツボ刺激は、生理痛の緩和だけでなく、体質改善にも効果的です。
「今まさに痛みがある時」と「痛みづらい体になるため」のツボ刺激について解説します。

今まさに痛い時の対策

まず身体を休ませます。
痛みを感じたら、まず身体を休ませることが大切です。

楽な姿勢で休息:
ゆったりとした服装に着替え、楽な姿勢で横になりましょう。
ひざ下にクッションなどを当てると、腰への負担が軽減されます。

温熱療法:
ホットパックや使い捨てカイロを下腹部や腰に当て、温めましょう。
時計回りにゆっくりとマッサージすることで、さらに効果を高めることができます。

ただし、強く押すのではなく、優しく撫でるようにマッサージしましょう。

足元の保温:
足先が冷えている場合は、足湯や湯たんぽなどで温めましょう。
足元を温めることで、下半身全体の血行が促進されます。

これらの対策を行った上で、余裕があれば下記のツボ刺激も試してみてください。

生理痛が出づらい体へ|体質改善のツボ

生理の調節には、自律神経が深く関わっています。
ツボ刺激は、自律神経を整え、ホルモンバランスを整える効果が期待できます。

以下は、生理痛が出づらい体を目指すための代表的なツボです。

血海(けっかい)


ももの内側、ひざのお皿から指4本分くらい上。
血行を促進し、痛みを和らげる効果があります。

三陰交(さんいんこう)


足の内くるぶしから指4本分くらい上。
女性特有の不調に効果的なツボとして知られています。

合谷(ごうこく)


手の甲で親指とひとさし指の間。
全身の血行を促進し、痛みを和らげる効果があります。

気海(きかい)


おへそから指2本分くらい下。
身体のエネルギーを高め、冷えを改善する効果があります。

腎兪(じんゆ)


背中の指2~3本分くらい横(おへその高さあたり)。
腰痛や冷えに効果があります。

ツボを自分で探す時のコツ

より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。

ツボの基本位置を確認

鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。

押して探す

だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。

体の反応をみる

ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。

ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。

せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点

ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。

「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。

せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。

せんねん灸の使い方

種類を選ぶ

「せんねん灸」には様々な種類があります。
せんねん灸

「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
せんねん灸種類
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。

ツボの場所を決める

どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。

準備

お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。

台座の裏紙を剥がす

「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。

もぐさに点火

巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。

皮膚に据える

火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。

取り外す

使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。

お灸をする上での注意事項

・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。

・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。

・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。

・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。

・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。

・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。

・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。

上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

セルフケアのツボ押しの方法と注意点

ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。

ツボ押しの方法

リラックスできる環境を整える

静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。

ツボの位置を確認

書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。

指の腹で押す

親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。

適度な力で押す

「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。

時間をかけて押す

1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。

呼吸を意識する

力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。

温めてから行うと効果的

入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。

ツボ押しをする上での注意事項

・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。

・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。

・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。

・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。

・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。

・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。

・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。

・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。

上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

鍼灸院での本格鍼灸で生理痛対策

セルフケアも大切ですが、それだけではどうしても根本的な改善にはつながらないかもしれません。
痛みの程度が重い場合や、慢性化している場合はとくにです。

鍼灸院での施術は、より根本的な体質改善に繋がり、生理痛の緩和に高い効果を発揮します。

当院では、東洋医学に基づいた丁寧な診察で患者様の体質を把握し、お一人おひとりに合わせたオーダーメイドの施術を行います。
全身のツボ(経穴)に鍼灸でアプローチすることで、血行促進、自律神経の調整、ホルモンバランスの改善などを促し、生理痛の根本原因に働きかけます。

生理痛でお悩みの方で、しっかりと体づくりを行っていきたいとのご希望あれば、ぜひご相談ください。

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