体外受精で妊娠するまでの確率
採卵・受精・凍結・移植の確率
西洋医学を使って妊娠する一番高度な方法は「体外受精」でしょう。
通院頻度や薬の副作用や経済的負担を考えると、体外受精は負担は大きいです。
でも負担が大きい分、期待も大きいものです。
不妊で悩まれている人で「体外受精を絶対的な方法」だと考える人もいらっしゃいます。
それにすごく期待して頼りたくなってしまいます。
実際の確率的にはどうなのかを今回は書きます。
体外受精の採卵できる数、凍結できる数、移植後の着床の確率、等のハナシです。
(※状態や刺激法などにより異なりますのであくまで大雑把な一般論です。)
通常10~15個の卵胞を育てることを目指して排卵誘発します。
育った卵胞を採卵をしてみると、実際に卵子があるものとないものがあります。
卵胞の中に卵子があるのは8割です。
取った卵に精子を受精させます。
方法にはふりかけと顕微がありますが、受精するのは成績の良い顕微授精でも7割です。
受精卵を育てて胚盤胞にします。
受精卵が胚盤胞まで育つのは4割です。
これまでの確率を実際の数字で例えます。
- 採卵前に卵胞が10個だったら、8個の卵が取れます。
- 8個の卵子のうち、受精卵は5~6個できます。
- 5~6個の受精卵は胚盤胞に1~3個育ちます。
- 結果、8個採卵できると1~3個の凍結卵ができます。
- そして、胚盤胞の「着床率(妊娠率)は3割」と言われますので、3回移植すれば1回は着床する計算になります。
早ければ1回の採卵で移植→着床までいくし、多ければ3回採卵して3回目の移植で着床、というイメージでしょうか。
(※繰り返しですが、状態や刺激法などにより異なりますのであくまで大雑把な一般論です。)
当院の考察
確率はたしかに大事です。
たとえば、成功確率が80%と30%の2つの種類の手術があるなら、成功率8割の方が安心できますよね。
どちらかを選ばねばならないとしたら、8割成功する方を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
確率が選択を決める要素になりえます。
でも、
これから受ける体外受精での妊娠確率が30%ですと言われても、本人にとっては「毎回が0か100か」なんですよね。
何百何千のケースから導き出した確率はたしかに大切な指標になりますが、こと自分にとってはそんなものどうでもよくて「私にとっては上手くいくか失敗するかの二択」なのだと思います。
そう考えると、確率など知らなくてもいい気もします。
確率はあくまで建設的な行為決定に使用されるべきです。
たとえば「一番確率の高い治療を選びたいから確率を参考にする」とか「自分にとっての費用対効果を見極めたいから確率を知る」などです。
そうでなく単に不妊治療の情報の一環としてなら、あまり気にしない方が良いです。
他の人がどうであれ、自分にとっての結果は0か100かですから…。
たとえば、体外受精をするかどうか!?を決める参考に“確率”を使うならいいのですが、体外をすると決めて実際に動き出したら、あとは確率など気にせずに「心身のコンディションを整える」だけです。
カラダとココロの調子を整える意味で、冷え取り・リラックス・腹八分など。
生活習慣に気をつけて過ごす。
鍼灸ももちろん良いです。
気持ちも心安く過ごして、あとは結果を待つだけにする。
そんな過ごし方が一番良いと考えます。
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