献血前のセルフケアお灸のススメ
献血前にセルフケアお灸のススメ
献血は社会貢献の一つであり、最近では献血ルームのサービスも充実しているため、興味のある方にはぜひおすすめしたい活動です。
私もこれまでに30回程度献血を経験しています。
献血にはいくつかの条件があり、最も分かりやすいのは当日の体調不良や発熱です。
これらの場合は献血ができません。
また、服用している薬によっては献血ができない場合があります。
ただし、薬の種類によっては問題ない場合もありますし、ビタミンやミネラルなどのサプリメントは基本的に問題ありません。
薬を服用している方でも一概に献血ができないわけではないため、詳しくは医療機関や日本赤十字社のウェブサイトで確認することをおすすめします。
日本赤十字社のホームページには、『献血をご遠慮いただく場合』というページがあり、献血に関する詳細な情報が掲載されています。
日本赤十字社のホームページ。
『献血をご遠慮いただく場合』
鍼灸を受けた日の献血は避ける?
上記のサイトには鍼灸に関する記述がないため、鍼灸施術と献血の関係について、各地の赤十字血液センターの情報を確認しました。
その結果、高知県赤十字血液センターのサイトに『鍼灸治療は当日不可。置き針は翌日から採血可』という記述を見つけました。
注)2025年2月記載:高知県赤十字血液センター(https://www.bs.jrc.or.jp/csk/kochi/donation/m2_02_02_medicine.html)にありましたが、今はリンク切れとなっております。
鍼灸施術と献血の関連でご心配ありましたら、事前に、お出かけ先の各赤十字血液センターにお問い合わせください。
この情報から判断すると、鍼灸を受けた当日の献血は避けるべきですが、日を改めれば問題ないと言えるでしょう。
当院としても、鍼灸施術を受けた日は心身ともにゆったりと過ごしていただきたいと考えておりますので、献血のような体に負担のかかることは避けていただくことをお勧めします。
献血前にお灸を勧めるワケ
健康な方であれば、基本的に献血後に体調を崩すことは少ないですが、体から血液が失われるという事実は、体に一定の負担をかけることになります。
そのため、万全のコンディションで献血に臨むことは、献血後の生活をスムーズに送るためにも重要です。
自分の体を犠牲にして社会貢献をするというのは本末転倒です。
そこで、献血に備えて、そして日々の健康増進のために、セルフケアとしてのお灸をおすすめします。
当院では、鍼灸施術と併せてお灸の有効性を患者様にお伝えし、ご自身の健康管理に役立てていただいております。
お灸の作用
お灸には、以下のような効果が期待できます。
増血作用:
お灸は赤血球の生成を促進し、血流を改善する効果があります。
これは、お灸の温熱刺激が骨髄を刺激し、造血機能を活性化するためと考えられています。
止血作用:
お灸は血小板の働きを活性化し、血液凝固を促進する作用があります。
これにより、傷の治癒を促す効果も期待できます。
防衛作用:
お灸は白血球の数を増やし、免疫力を高める効果があります。
体内に侵入した細菌やウイルスを排除する力を高め、病気になりにくい体づくりをサポートします。
これらの効果に加え、鍼灸全般に言えることですが、自律神経を調整する作用があり、冷えの改善や疲労回復にも効果を発揮します。
当院では、患者様一人ひとりの体質や症状に合わせてツボ(経穴)を選び、最適な施術を提供しています。
冷えやストレス、自律神経の乱れによる不調に対して、お灸は非常に有効な手段となります。
献血に備えたおススメのツボ
献血当日に急にお灸をするのではなく、献血予定日の1週間程度前から、1日1回のセルフお灸を行うことをおすすめします。
献血後も1週間程度続けることで、より効果を実感できるでしょう。
ここでは、健康増進と弱った体を元気にする作用(気血を補う作用)のあるツボの中から、ご自身でも行いやすいように手足のツボを3点ご紹介します。
当院では、これらのツボだけでなく、全身のツボを組み合わせて施術を行うことで、より根本的な体質改善を目指しています。
三陰交(さんいんこう)
内くるぶしの最も高いところに小指を置き、指幅4本揃えて、人差し指が当たっているところが三陰交です。
婦人科系の疾患に効果があるとされ、冷えや生理不順、更年期障害などにも用いられます。
当院では、不妊治療の一環として、このツボを重視した施術を行っています。
足三里(あしさんり)
膝のお皿のすぐ下、外側のくぼみに人差し指を置き、指幅4本揃えて小指が当たっているところが足三里です。
胃腸の調子を整え、全身の活力を高める効果があるとされています。
当院では、自律神経の乱れによる胃腸の不調や、疲労回復のためにこのツボを用いることが多いです。
手三里(てさんり)
肘を曲げた時にできるシワに人差し指を置き、指幅3本、薬指が当たっているところが手三里です。
肩こりや首のこり、腕の痛みなどに効果があるとされています。
当院では、ストレスによる体の緊張を和らげるために、このツボを用いることがあります。
ツボを自分で探す時のコツ
より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。
ツボの基本位置を確認
鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。
押して探す
だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。
体の反応をみる
ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。
ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。
せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点
ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。
「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。
せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。
せんねん灸の使い方
種類を選ぶ
「せんねん灸」には様々な種類があります。
「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。
ツボの場所を決める
どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。
準備
お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。
台座の裏紙を剥がす
「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。
もぐさに点火
巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。
皮膚に据える
火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。
取り外す
使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。
お灸をする上での注意事項
・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。
・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。
・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。
・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。
・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。
・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。
・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。
・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。
上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。
まとめ
献血に行く前(当日ではなく1週間前から)にお灸をしておくことは、ヘモグロビン濃度不足で献血を断られることを予防したり、採血後の不調を軽減する効果が期待できます。
また、少し長めにセルフ灸を続けることで、献血のおまけである「血液データ」で良い結果が出る可能性もあります。
お灸の目的は「健康増進」ですから、健康な体の血液データは良好になるはずです。
初めて献血をする方でなければ、以前のデータと比べてみるのも良いでしょう(変化を実感するには、1ヶ月ほど前からお灸を続けることをおすすめします)。
献血は「誰か」のためであると同時に、自身の健康状態を知る上でも役立ちます。
興味のある方はぜひ献血に足を運んでみてください。
千葉県内の献血ルームの場所については、以下のリンクから確認できます。
おまけですが、当院の施術について。
鍼灸施術を通じて、皆様の健康増進をサポートしています。
とくに、30~40代の女性に多い、不妊、婦人科系疾患、自律神経失調症、冷え、ストレスなどに対して、豊富な経験と実績に基づいた丁寧な施術を行っています。
もし、この記事を読んで鍼灸に興味を持たれたり、体の不調を感じている方がいらっしゃいましたら、ぜひ当院にご連絡ください。