不妊鍼灸治療はいつがおススメか?

一番良いのは「継続」治療

不妊鍼灸のタイミング

不妊治療(妊活)目的での鍼灸について「いつ施術を受けるのがベストなのか?」との疑問を抱える方は少なくありません。
結論から言えば、「“いつ”ではなく“継続”がベスト」です
たとえば、週1回の施術を3ヵ月継続する、などです。

その理由は、鍼灸が果たす役割が「体質改善」だからです。

確率的に「妊娠しやすい体」というのはあります。
たとえば「温かいカラダ」「元気いっぱいのカラダ」「適性体重のカラダ」「ストレスの少ないカラダ」などです。
こういうカラダであれば、同じ不妊治療(たとえば体外受精など)を受けても、成果になりやすいと考えられます。

もちろん、冷え性・疲れやすい・肥満でも妊娠する可能性は十分あります。
友人知人など周囲を見渡せば、そういう方を見知っていることでしょう。
だから「体質改善は不要」という考え方もアリです。
そういった場合は、鍼灸自体も不要でしょう。

当院では「妊娠しやすくなるために出来る事をしたい」と考える人のお手伝いのために一緒に歩みたいです。

鍼灸は、妊娠の可能性を高める体質改善に役立ちます。
ただし、その為には継続的な施術が有効ですので、しばらく通っていただくことをおススメしたいです。
(しばらくとは、最低3ヶ月です)

鍼灸を1・2回だけ受けたい人には…

本来は「継続施術を受けて欲しい」の一択ですが、あえて1回か2回だけ施術を受けるならのおススメをご提案します
そのためには、ご自分の生理周期で「何に困っているのか」から選択すると良いでしょう。

「生理周期」とは、生理がきて→卵胞と内膜が育って→排卵して→受精卵が内膜に着床する→もし着床しなければ次の生理が来る直前まで、の流れを言います。

この中でよく問題になるのは以下の4つです。
1)生理痛がツラい
2)卵が育たたない(排卵障害)・採卵がうまくいかない・内膜が薄い
3)着床しづらい
4)月経前症候群(PMS)がツラい

それぞれについて解説します。

生理痛がツラい人の鍼灸はいつがおススメか

生理痛のツラさは、内膜が剥がれ落ちて排出する時に、東洋医学で言う「血(けつ)」が滞っていることで起きます。
まずは排出すべきものをしっかり排出し切るというのが大事になります。
これが中途半端だと、始まった生理周期での内膜の環境がうまくいきません。

ですので、生理開始数日前に1回と生理開始3日ごろに1回の計2回の鍼灸をお勧めします。

痛み軽減にもお役に立てますし、子宮内膜の状況を良くしておくことで、その周期の妊娠の可能性を高めるようにします。

卵が育たない人(採卵がうまくいかない人)の鍼灸はいつがおススメか

こういうタイプの人は、生理周期で言う「低温期」が長くなる傾向があります。
全身的にエネルギー不足の傾向(東洋医学では「気血の不足」)があるとみます。

ですので、生理が終わる頃(周期5日目)に1回と排卵に向けて(周期10日目頃)に1回の計2回の鍼灸をお勧めします。

婦人科系のパワーアップで、卵と内膜をしっかり成長させて排卵までもっていくことで妊娠の可能性を高めるようにします。

着床しづらい人の鍼灸はいつがおススメか

排卵まではうまくいくものの妊娠に至らない人は、着床がうまくいっていないことが予想されます。
(キャッチアップ障害などもあり得ますが…。)
体外受精を試みている人は、良い受精卵はできているのに移植をしてもうまくいかない、というお悩みになります。

これは内膜の血液量と血流が不足したり滞ったりしていること(東洋医学では「腎虚と血瘀」)があるとみます。

ですので、排卵後(周期15日目頃)に1回と周期20日目頃に1回の計2回の鍼灸をお勧めします。

婦人科系(とくに子宮内膜)の血流を促進するような鍼灸で、内膜環境を良くして妊娠する可能性を高めるようにします。

PMSがツラい人の鍼灸はいつがおススメか

月経前症候群(PMS)は、生理が始まる前に感じる不快感です。
精神的なイライラ・落ち込みや身体的な下腹部痛や頭痛・下痢などです。

気づまり(ストレス)や血流の悪さで起こると考えます。
生理周期で言う「高温期(排卵後から次の生理直前まで)」に2回(難しいなら症状が強く出る直前くらいに1回)の鍼灸をお勧めします。

気血のめぐりを促進する施術で、全身の不調を軽減させることで、PMSが軽減した体は結果的に婦人科系の状態も良い証しですので、妊娠しやすいカラダに近づいていると考えます。

まとめ

不妊鍼灸のタイミング
鍼灸は魔法のようなツールではありません。
ロキソニンで抑えていたような生理痛が「鍼灸1回で痛みゼロになる」ような劇的な変化は期待できません。

全力で施術には当たりますが、カラダの変化はゆっくり地味に起こってくるものです。
ぜひ継続的な鍼灸を受けて欲しいと強くお伝えします。
鍼灸が効果を発揮するのは「継続治療」です
生理周期に関係なく、一定のペース(週1回など)で施術を受けることをおススメします。

ただ、どうしてもピンポイントでしか施術を受けられない場合は、ご自分の弱点を補うような時期に受けられると良いでしょう。
生理痛・排卵・着床・PMSあたりがキーワードになると考えます。
参考にしてください。

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