後頭部の違和感がなかなか取れない人へ

怖い頭痛と緊急ではないものの見分け方

後頭部の違和感
まずはすぐに検査が必要な緊急性の高いものと、そこまでではないものの見分け方から書きます。

脳梗塞・脳卒中

怖い頭痛は「脳」に由来するものです。
突然、さっきまで普通にしていて「本当に殴られたようなガーンとした頭痛」がくるようです。

その他にも以下のような症状が出る場合があります。
・突然、片方の眼の前が真っ暗になる。
・突然、ものがダブって二重にみえる。
・突然、片方のまぶたが垂れて開かない。
・突然、新聞を読むときに片方が読みづらくなる。

このように、“突然”来るのが怖いものです。
本当に“ドン!”とくる頭痛を経験したら、救急車を呼んでください。
病院で検査することが大事です。

そこまで緊急ではない頭の違和感

・時々、頭がカーっとのぼせる。
・後頭部が時々重い感じがする。
・後頭部でプチッと血管が切れるような音がした。

飲んでいる薬の影響だったり、肩こりからくるものだったり、とこれらは緊急性の高いものではありません

鍼灸がお役に立てるのはこちら側のお悩みです。
後頭部に違和感を感じる方は、まずは病院で検査を受けていただき「背後に大きな病気が潜んでいないこと」を確認してから、鍼灸を受けられるとよいでしょう。

なかなか取れない後頭部の違和感

首コリ
後頭部の違和感は、後頭部だけでなく首筋から肩が重たい・張る・凝るといった症状も付随して多くみられます。
目の奥が痛むという人もよくみられます。

これは首から肩・背中にかけての筋肉のコリが原因のことが多いです。

どうして首肩がこるのかと言えば理由は「後頭部から肩までの血流が悪くなるため」です

そして、血流を悪くする根本原因は3つです。

・全身の疲れ(気虚)
・全身の冷え(陽虚)
・ストレス(気滞)

症状は後頭部~肩の不調ですが、じつはその原因は全身にあります。
それぞれ解説してみます。

全身の疲れ

このタイプの人は基本的に忙しい人が多いです。
仕事・家事・育児などで毎日がてんてこ舞いで疲弊しています。
こういう状態を鍼灸では「気が虚している」と言います。
エネルギー不足のことですね。
またそれに併せて、忙しくパソコンやスマホなどで目を酷使しているために、目や首などへの気(エネルギー)の量が不足し余計に後頭部の違和感が取れづらくなります。
このタイプは、まずは目のケアが大切です。
目の酷使を減らすだけでも違ってきます。

全身の冷え

冷えると肩こりがつらくなる人は少なくありません。
例えば春や秋の季節は、昼間は暑いのに夕方になると急に寒くなることが多いため、急激に筋肉が収縮して肩こりになりやすいです。
カラダを温めるチカラが足りていない証拠です。
こういう状態を鍼灸では「陽気が不足している」と言います。
冷えることで気(エネルギー)のめぐりが悪くなり、血流の悪さを招くわけです。
冷え対策が重要になります。

ストレス

イライラするだけでなく、落ち込むとか情緒不安定なども含めての「ストレス」です。
“気持ちの疲れ”などと言ったりします。
こういう状態を鍼灸では「気が滞る」と言います。
気(エネルギー)の動きが悪くなるために血流も悪くなり、コリを招きます。
ストレス発散やリラックスできるトライが重要です。

後頭部の違和感に鍼灸が出来ること

首に鍼灸
「血流を良くすること」が解決策です。
そして鍼灸は血流促進作用が強くありますので、コリをほぐして違和感に変化をもたらすお手伝いができます。

具体的には、先ほど書いた3つの原因のどれに当てはまるのかを、カウンセリングで聞き取り、チェックして、お見立てをします。

例えば「冷え」が根本原因だと分かるとします。
冷え体質が根本にあり、それが後頭部に悪さをしている、と考えるわけです。
その場合は、(後頭部のためにも)全身が温かくなる鍼灸をします。

全身に約360あるツボ(経穴)から、体を温かくする作用の強いツボをセレクトします。
そこに鍼灸をします。
ですので、後頭部の違和感を訴えてきた人の「腕」「足」「背中」「お腹」などにも鍼灸をします。

これは、後頭部しか意識してなかった人からすると意外に感じられると思いますが、症状に変化を出すには体質改善こそが一番の近道になります

まとめ

後頭部の違和感が続く人は、まずは病院でその原因を確認する必要があります。
慢性症状であれば危険性は低いと思いますが、順序としてはまずは病院です。
そこで、大きな問題を指摘されなければ、その原因は「血流の悪さからくる筋肉のコリ」ですので、あとは鍼灸がよいでしょう。

当院では「体質からアプローチする鍼灸」をしていますので、全身状態から施術方針を決めていきます。
そして、全身のツボを駆使してていきます。

このように進める全身治療が一番近道の施術だと考えます。