キャッチアップ障害と鍼灸治療
キャッチアップ障害への鍼灸治療
今回は、キャッチアップ障害とは何かを丁寧に解説し、鍼灸がどのようにそのお悩みに寄り添えるのかをお伝えします。
キャッチアップ障害って何?
キャッチアップ障害とは、卵巣から排卵された卵子が、卵管にうまく取り込まれない状態を指します。
このメカニズムを理解するために、少しだけ体の仕組みについてお話させてください。
女性の体では、卵巣という臓器で卵子が作られ、毎月1個の卵子が成熟して排卵されます。
排卵された卵子は、卵管という管を通って子宮へと運ばれます。
この卵管は、卵巣と直接つながっているわけではありません。
排卵された卵子は、一度お腹の中(腹腔内)に放出され、その後、卵管の入り口(卵管采)でキャッチされるのです。
この「キャッチ」がうまくいかない状態、つまり卵子が卵管にうまく取り込まれない状態が、キャッチアップ障害です。
例えるなら、野球のピッチャーが投げたボールをキャッチャーがうまくキャッチできないような状態です。
なぜキャッチアップ障害が起こるの?
キャッチアップ障害の原因はいくつか考えられます。
卵管の炎症や癒着:
クラミジア感染症や子宮内膜症などが原因で卵管に炎症が起こると、卵管の動きが悪くなったり、卵管采が癒着して卵子をキャッチしにくくなったりします。
子宮筋腫:
子宮筋腫の位置や大きさによっては、卵巣と卵管の位置関係がずれ、卵子がキャッチされにくくなることがあります。
加齢:
年齢を重ねるにつれて、卵管采の動きが低下することがあります。
これは、年齢とともに体の機能が低下していく自然な現象と言えるでしょう。
ストレス:
ストレスは自律神経のバランスを崩し、卵管の動きに影響を与える可能性があります。
原因不明:
明確な原因が特定できない場合もあります。
近年、クラミジア感染症の増加に伴い、キャッチアップ障害も増加傾向にあると言われています。
東洋医学から見たキャッチアップ障害 ~「気血水」の視点~
東洋医学では、人間の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という3つの要素で構成されていると考えます。
「気」は生命エネルギー、「血」は血液とその働き、「水」は血液以外の体液を指します。
これらのバランスが崩れると、体の不調につながると考えます。
キャッチアップ障害の場合、東洋医学では卵管の動きを司る「気」と「血」の滞りや不足が原因と考えます。
例えば、食べ物が口から胃、腸へとスムーズに運ばれないと胃もたれや便秘になるように、卵管の動きも「気血」の流れが滞ることでスムーズにいかなくなると考えます。
また、癒着は「血」や「水」の滞り、つまり血行不良や水分代謝の低下と捉えます。
鍼灸でできること ~全身のバランスを整えるアプローチ~
当院の鍼灸治療では、まず丁寧な問診であなたの体の状態を詳しくお伺いします。
脈やお腹の状態などを診る東洋医学的な診察を行い、あなたの体質や不調の原因を探ります。
その上で、全身のツボ(経穴)を使って鍼やお灸で刺激し、「気血水」のバランスを整えていきます。
「気」の巡りを良くする:
ストレスや疲労で滞った「気」の流れをスムーズにし、卵管の動きをサポートします。
「血」の巡りを良くする:
骨盤内の血行を促進し、卵巣や卵管への栄養供給を改善します。
「水」の巡りを良くする:
水分代謝を改善し、むくみや冷えを解消することで、卵管周囲の環境を整えます。
当院の鍼は髪の毛ほどの細さで、痛みはほとんどありません。お灸も心地よい温かさで、リラックスして受けていただけます。
なぜ全身治療が大切なのか? ~木を見て森も見る~
「キャッチアップ障害」という特定の症状に注目するだけでなく、全身のバランスを整えることが、不妊治療において非常に重要です。
例えば、
疲れやすい体質:
全身のエネルギー不足は、卵巣や卵管の機能低下につながる可能性があります。
ストレスの多い体質:
ストレスはホルモンバランスを乱し、排卵や卵管の動きに影響を与える可能性があります。
冷えやすい体質:
冷えは血行不良を招き、卵巣や卵管への栄養供給を妨げる可能性があります。
このように、全身の状態は婦人科系の状態と密接に関わっています。
当院では、あなたの体質に合わせたオーダーメイドの治療を行うことで、根本的な体質改善を目指し、妊娠しやすい体づくりをサポートします。
「もしかしたら…」という不安を抱えながら過ごす日々は、心身ともに大きな負担となります。
当院では、鍼灸を通してあなたの心と体をサポートし、未来のあなた、そしてあなたと大切な人の未来のために、できる限りのことをさせていただきます。
もしあなたが、
なかなか赤ちゃんを授からないことで悩んでいる
キャッチアップ障害について詳しく知りたい
鍼灸治療に興味がある
そう思っているのでしたら、ぜひ一度当院にご相談ください。
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