高プロラクチン血症
高プロラクチン血症での不妊
プロラクチンとは「乳腺刺激ホルモン」と呼ばれる脳下垂体から分泌されるホルモンで、母乳をつくるために欠かせないホルモンです。
また、このホルモンが活発な間は体が自然と妊娠しにくい状態になります。
本来であれば出産後に多く分泌されるホルモンですが、出産や授乳をしていないのにプロラクチンの数値が高い状態のことを「高プロラクチン血症」と言います。
高プロラクチン血症になると、月経不順・排卵障害などが起こり、不妊の原因となります。
の症状をきたします。
自覚症状は出にくいため、血液検査を受けて初めて指摘されたという方も少なくありません。
高プロラクチン血症の原因は以下のようなものがあります。
・脳にできる良性腫瘍
・薬の副作用(胃薬・抗うつ薬・ピルなど)
・甲状腺の機能低下
ただし、
ストレス等でホルモンバランスが崩れている状態でも起こり、一番多いのはこのような「はっきりとした原因が不明なもの」です。
無月経の方の20％には高プロラクチン血症があると言われています。
治療としては、プロラクチンの分泌を抑える薬があります。
原因が甲状腺機能低下の場合は、甲状腺機能を改善させる薬があります。
まずは病院で検査を受けて、
原因が分かればそれに則った治療を受けられることをお勧めいたします。
また、西洋医学的には原因がはっきり分からない高プロラクチン血症が多いと書いたとおり、西洋医学だけでの治療には限界があるかもしれません。
「病院の治療以外にも何かできることはないか？」と考えた時には東洋医学(鍼灸)を試してみてください。
鍼灸は、ストレス緩和や自律神経の働きを整えることで、ホルモンバランスを整えることに貢献できると考えます。
高プロラクチン血症と鍼灸
鍼灸(東洋医学)では、体は「気・血・水」の量と巡りが整っていることで健康と考えます。
逆に病気の場合は、このどれかが異常になっているとみるわけです。
高プロラクチン血症の場合は、
「肝うつ気滞」、「腎虚」、「瘀血」などが絡み合っているケースが多いです。
これらを簡単に説明します。
肝うつ気滞
ストレスなどから「気の巡りが滞った状態」になっています。
・イライラ、不安、情緒不安定が強い
・不眠など自律神経の働きが乱れている
・生理周期が早くなったり遅くなったり安定しない
・基礎体温の変動が激しい
・肩こり、頭痛、月経前症候群（胸の張り、イライラ）
以上のような症状を併せ持つ人が多いです。
気の滞りなので、ストレスを緩和して気の流れを促進する作用のツボを多く選んでいきます。
【代表的なツボ】
太衝・陽陵泉・合谷・太陽・風池・膈兪・肝兪など
腎虚
婦人科系のエネルギーの源である「腎の気の不足状態」です。
・生理周期が長め(低温期が長い)
・月経量が少なめ
・基礎体温が低い
・高温期が維持できない
・冷え症、足腰の冷え、疲労感、足がだるい、腰痛
以上のような症状を併せ持つ人が多いです。
腎の気を補う作用のツボを多く選んでいきます。
【代表的なツボ】
太谿・関元・腎兪・命門・足三里・脾兪など
瘀血
疲労や冷えやストレスなど、何かしらの理由があり結果的に「血が滞った状態」になっています。
・生理痛が強い(絞られるような痛さ)
・生理の経血が暗赤色、経血に塊が混ざる
・シミやそばかす、くすみができやすい
・肩こりや頭痛などが強い
・手足の冷え単独か、同時に上半身ののぼせがある
以上のような症状を併せ持つ人が多いです。
血の巡りを促すツボを多く選んでいきます。
【代表的なツボ】
三陰交・血海・膈兪・合谷など
以上のように、
体の状態もさまざまあり、その人なりの体質に合わせてツボを選択し、全身より施術していきます。
鍼灸は良い体質を作ることが目的です。
体質改善こそが一番の根本かつ近道です。
高プロラクチン血症鍼灸のよくある質問と回答
Q: 高プロラクチン血症は鍼灸で良くなりますか？
A: はい、機能的な高プロラクチン血症でしたら状態改善を目指すことができます。
「“絶対”に良くなります」と確定的なことは申し上げられませんが、鍼灸院では多くの患者さんの症状改善に成功しています。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: 高プロラクチン血症での不妊治療にも効果がありますか？
はい、ホルモンバランスを整えて妊娠の可能性を高めます。
鍼灸は、血行改善やホルモンバランスの調整などの効果が期待されています。
多くの患者さんが鍼灸を併用することで成果を得ています。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 個人差はありますが、通常は数週間から数ヶ月の継続的な治療が必要です。
Q: 鍼灸が高プロラクチン血症改善にどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術は自律神経の調整とストレス軽減に効果的で、婦人科系の機能を改善するのに役立ちます。
Q: 施術後にどのような効果や変化が期待できますか？
A: 施術後、多くの患者さんが生理痛の軽減や周期の安定、採卵数の増加などを報告しています。
Q: 施術の頻度はどのくらいですか？
A: 施術の頻度は個別の状態によりますが、通常は週に1回が一般的です。
Q: 生理の時も治療を受ける必要がありますか?
A: 生理痛が強い場合はできるだけ生理前～生理中に治療することをおすすめします。
基本的には、生理周期のいつでも通じての継続治療が大切です。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
Q: 鍼灸治療は病院の治療と併用できますか？
A: はい、鍼灸治療は病院の治療と併用できます。病院で出来ることは積極的になさってください。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
Q: 高プロラクチン血症以外の症状も同時に治療できますか？
A: はい、他の症状や不調も同時に治療できます。
肩こり・頭痛・腰痛・自律神経失調症・冷え・ストレスなど、複数の不調に同時並行して治療します。
