慢性疲労症候群
慢性疲労症候群とは
私たちは日常生活の中で、忙しさやストレスによって疲れを感じることがあります。通常であれば、十分な休息を取ることで回復します。
しかし、慢性的に疲労感や倦怠感が続き、原因がはっきりしない場合、それは「慢性疲労症候群（CFS）」の可能性があります。
西洋医学では、倦怠感の原因として貧血、甲状腺疾患、肝臓や腎臓の病気、膠原病、さらには悪性腫瘍などの疾患が考えられます。
しかし、検査をしても異常が見つからないケースも多く、その場合、生活習慣の乱れやストレスによる自律神経の不調が関与していることが考えられます。
慢性疲労症候群の主な症状として、以下のようなものがあります。
■微熱・頭重感
■筋肉や関節の痛み・腫れ
■目まい
■睡眠をとっても疲れが取れない
■すぐに疲れる
■思考力や集中力の低下
■意欲の低下
まずは病院で精密検査を受け、重大な疾患が隠れていないかを確認することが重要です。
そのうえで、病院での治療だけでは改善が見られない場合、鍼灸（東洋医学）を試してみることをおすすめします。
東洋医学の強み｜自然治癒力を引き出す施術
西洋医学は、「症状を抑えること」が得意です。
例えば、頭痛なら痛み止め、炎症なら抗生剤といった具合に対処します。
一方、東洋医学は「症状の原因となる体質」に着目し、体全体のバランスを整える「体質改善」を目指します。
頭痛ひとつとっても、血流の滞り・冷え・ストレスなど原因はさまざま。
鍼灸は、その人に合ったツボを刺激し、本来の治る力を引き出します。
不調の原因は目に見える症状だけではなく、体の内側のバランスの乱れにあります。
例えるなら、私たちの体は、大河を流れる水のようなもの。
血液や気（エネルギー）が滞りなく巡ることで、健康という豊かな流れが保たれます。
しかし、ストレスや不規則な生活習慣によって、川のどこかに泥や石が溜まり、水の流れが悪くなってしまうことがあります。
それが体の不調として現れるのです。
鍼灸は、川の流れを整える水路の管理人のようなもの。
滞った部分を取り除き、スムーズな流れを取り戻すことで、体全体が元気に機能するように導きます。
東洋医学は、2千年の経験値を持つ体質改善の医学です。
鍼灸では「脈・舌・お腹」を診て、気・血・水の流れを察し、ツボ（経穴）に刺激を与えることで、全身の調和を取り戻します。
鍼灸と慢性疲労症候群
東洋医学では、慢性的な疲労を「気虚（ききょ）」の状態と考えます。
「気」とは生命エネルギーのことで、気の量が十分であり、スムーズに巡っていると、人は元気でいられるとされています。
しかし、長期間にわたり疲労感が続くと、気の不足が進行し、体を構成する「血（けつ）」や「水（すい）」のバランスにも影響を及ぼします。
慢性疲労の治療方針として、東洋医学では主に「気を補う（補気）」ことを基本とし、血や水のバランスを整えることを重視します。
慢性疲労症候群の原因となる体質は、大きく以下の3つに分類されます。
気虚（ききょ）タイプ：エネルギー不足の状態
主な症状：
疲れやすい、息切れしやすい、食欲がない、風邪をひきやすい
おすすめのツボ：
■足三里（あしさんり）
消化機能を高め、全身の気を補う
■中脘（ちゅうかん）
胃腸の働きを整え、エネルギーを補充
■脾兪（ひゆ）
消化吸収を助け、体力を回復
■腎兪（じんゆ）
生命力を補い、慢性的な疲労に効果的
血虚（けっきょ）タイプ：血の不足による疲れ
主な症状：
めまい、立ちくらみ、不眠、肌の乾燥、動悸
おすすめのツボ：
■三陰交（さんいんこう）
血を補い、女性の体調管理にも良い
■膈兪（かくゆ）
血の巡りを良くし、栄養を全身に届ける
■心兪（しんゆ）
精神的な疲れや不眠の改善
水滞（すいたい）タイプ：体内の水分バランスの乱れによる疲れ
主な症状：
むくみやすい、体が重だるい、頭がぼーっとする
おすすめのツボ：
■陰陵泉（いんりょうせん）
体内の余分な水分を排出し、むくみを解消
■豊隆（ほうりゅう）
胃腸の働きを改善し、消化吸収を促す
■水分（すいぶん）
水分代謝を促し、体内の余分な水を排出
以上のように、東洋医学では、慢性疲労症候群の治療において体質改善を重視します。
鍼灸を用いて経絡（気血の流れる経路）を刺激し、臓腑の機能を調整することで、慢性疲労の緩和や改善を促します。
また、鍼灸には「脳の疲れを取る＝自律神経の働きを整える」効果もあります。
慢性疲労症候群の多くは、自律神経のバランスが崩れることによって悪化するため、鍼灸によって全身の調和を取り戻すことが重要です。
ただし、慢性疲労の原因や症状は個々の患者さんによって異なります。
そのため、実際の施術では、患者さんの体質や症状に合わせて適切なツボを選び、施術を行います。
慢性疲労への鍼灸の論文・研究
国内外の研究でも慢性疲労・倦怠感への鍼灸は有効性を確かめられています。
●鍼治療を施したところ, 慢性疲労症候群の中心的症状である激しい疲労感は明らかに改善したことを報告しています。
『慢性疲労症候群に対する鍼治療の検討』
●結論：鍼治療は慢性疲労を軽減させる、と報告している。
『慢性疲労に対する鍼治療の有効性の評価』
当鍼灸院でも、あなたの慢性疲労・倦怠感を改善するために最大限の施術をさせていただきます。
慢性疲労症候群鍼灸のよくある質問と回答
Q: 慢性疲労症候群って本当に鍼灸で治りますか？
A:はい、鍼灸治療は慢性疲労の改善に効果があります。
鍼やお灸を用いて、自律神経の乱れを緩和し、血流を良くし、疲れづらいカラダに整えます。
西洋医学だけでなく東洋医学(鍼灸)との併用が効果的です。
Q: どのくらいの期間続ける必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は数回から3ヶ月の継続的な治療が目安となります。
個別には初回施術後にお伝えします。
治療の効果や経過に応じて、治療の間隔や内容を調整していきます。
Q: どのくらいの頻度で通う必要がありますか？
A: 症状の程度によりますが、通常は週1回が目安になります。
Q: 鍼灸治療の効果を感じるまでに時間がかかりますか？
A: 効果を感じるまでには個人差がありますが、通常は数回の治療後に改善を実感できることがあります。
Q: 鍼灸が慢性疲労にどのように役立つのですか？
A: 鍼灸施術は自律神経の調整とストレス軽減に効果的で、様々な不快感や痛みを改善するのに役立ちます。
Q: 鍼灸治療の効果は一時的なものですか、それとも長期的なものですか？
A: 鍼灸治療の効果は個人によって異なりますが、一時的な効果だけでなく、長期的な効果も期待されます。
定期的な治療を受けることで持続的な改善につながります。
Q: 慢性疲労症候群以外にも鍼灸で治療できる症状はありますか？
A: はい、肩こり、腰痛、神経痛、不妊、不眠、食欲不振、ストレスなど多くの症状に対応しています。
Q: 鍼やお灸は痛いですか？
A: いいえ、極力痛みを感じないよう心地よく施術します。鍼は痛くなく、お灸は心地よい温熱感が特徴です。
Q: どのように予約を取れますか？
A: 予約は電話またはウェブサイトから取ることができます。
完全予約制で待ち時間はありません。
Q: 鍼灸治療中に他の治療を受けても大丈夫ですか？
A: 他の治療との併用は個別の状況によります。鍼灸師と相談してください。
Q: 鍼灸の安全性はどうですか？
A: 鍼灸は安全で、国家資格を持つ専門家によって提供されます。感染症のリスクはほとんどありません。
Q: 鍼灸治療の副作用はありますか？
A: 通常、副作用はほとんどありません。治療後に軽い疲労感があることがあります。
Q: 鍼灸治療は保険が効きますか？
A: 申し訳ございません。当院の鍼灸施術は実費となります。
Q: どのようにして鍼灸の効果を最大限に引き出すことができますか？
A: 鍼灸治療の成功には生活習慣や食事の改善が重要です。鍼灸師がアドバイスします。
Q: 鍼灸治療は病院の治療と併用できますか？
A: はい、鍼灸治療は病院の治療と併用できます。病院で出来ることは積極的になさってください。
