神経過敏に効くツボ

神経過敏に効くツボ

神経過敏に効くツボ・写真1

「音や光に敏感になった」
「人の言葉に過剰に反応してしまう」
「常に気が張っていて休まらない」

こうした状態が続くと、多くの方が「自分が弱いのでは」「気にしすぎなのでは」と自分を責めてしまいます。

ですが、まず知ってほしいのは、神経過敏は“性格”の問題ではないということです。

体と神経が、長期間休めない状態に置かれた結果として、誰にでも起こりうる反応です。

今回は、神経過敏に効くセルフケアのツボをご紹介しますので、日常生活で役立てて下さい

西洋医学からみた神経過敏

神経過敏に効くツボ・写真2

西洋医学では「神経過敏」という病名は使われませんが、実際には自律神経の調整機能がうまく働かなくなった状態として説明されます。

自律神経は、交感神経(緊張・活動)と副交感神経(休息・回復)のバランスによって成り立っています。

強いストレス、睡眠不足、ホルモンバランスの変化、長期間の緊張状態が続くと、交感神経が優位になりすぎ、刺激に対して過剰反応が起こります。

その結果、
・音や光がやけに気になる
・動悸・不安感・焦燥感
・筋肉のこわばり
・不眠や疲労感
…といった症状が現れます。

とくに40~50代以降の女性では、仕事・家庭・更年期によるホルモン変動が重なり、症状が表面化しやすいことが分かっています。

西洋医学的な治療法

西洋医学では、主に以下の方法が取られます。

・抗不安薬・抗うつ薬
・睡眠導入剤
・漢方薬(加味逍遙散、抑肝散など)
・生活指導(睡眠・運動・ストレス管理)

これらは症状を抑える目的として有効な場合がありますが、「なぜ神経が過敏になったのか」という体全体の状態までは評価されないことが多いのが現状です。

東洋医学からみた神経過敏

最初に簡単なセルフチェックをしてみてください。

簡単セルフチェック

次のうち、3つ以上当てはまる方は要注意です。

□ 何もしていなくても体が緊張している

□ 眠りが浅く、夢をよく見る

□ 人混みや音が苦手になった

□ 首・肩が常にこっている

□ 疲れると不安感が強くなる

□ 甘い物やカフェインを欲しやすい

当てはまる方は、神経の問題ではなく「体質の乱れ」が背景にある可能性が高いです。

東洋医学では、神経過敏を「全身のバランスの乱れ(体質の乱れ)が神経症状として現れた状態」と考えます。

重要なのは、「神経」だけを見ないことです。

神経過敏に関係する体質

東洋医学では、体質ごとに適したツボを選ぶことで、より効果的なケアができます。

肝の不調タイプ(肝気鬱結・肝陽上亢)

・イライラしやすい
・緊張すると症状が悪化
・音・光・人の言葉に敏感

肝は「気の流れ」を調整する臓腑です。
ストレスが続くと気が滞り、神経が高ぶりやすくなります。

心の不調タイプ(心血虚・心陰虚)

・不安感が強い
・動悸・不眠
・落ち着かない

心は「精神活動」を司ります。
過労や長期間の緊張で心の栄養が不足すると、神経が安定しなくなります。

腎の弱りタイプ(腎陰虚)

・年齢とともに悪化
・夕方から夜に強く出る
・のぼせ・耳鳴りを伴うことも

腎は生命エネルギーの土台です。
加齢や慢性疲労で腎が弱ると、神経のブレーキが効かなくなります。

多くの方は、これらが重なった状態にあります。

神経過敏に効くツボ

神経過敏に対するツボは、「神経を直接鎮める」のではなく、「気の巡りを整える」「心を安定させる」「神経のブレーキ役を補うう」という視点で選びます。

神経過敏に効く共通のツボ

■百会(ひゃくえ)

耳のいちばん高いとこりに親指をあて中指を頭のてっぺんにあててそこから前げ押しながら移動し、気持ちよく感じるところ。

自律神経全体の調整に使われる代表的なツボ。
過緊張をゆるめ、頭の興奮を鎮めます。

■神門(しんもん)

手首の曲がりジワを小指側へなでてゆき、骨の出っぱりの手前で指が止まるところが神門です。

心を安定させ、不安感や動悸を和らげます。

■内関(ないかん)

手首の曲がりジワに薬指をおき指幅3本そろえて人さし指があたっているところ、腕の幅の真ん中が内関です。

自律神経症状と精神的緊張の両方に用いられる重要穴。

神経過敏に効果的な体質別のツボ

肝タイプ

■太衝(たいしょう)

足の甲にあります。足の親指と人差し指の骨が交わる所です。

気の滞りを解消し、神経の高ぶりを抑える

心タイプ

■神門(しんもん)

手首の曲がりジワを小指側へなでてゆき、骨の出っぱりの手前で指が止まるところが神門です。
※共通のツボと同じです。

心の熱を冷まし、落ち着きを取り戻す

腎タイプ

■太谿(たいけい)

内くるぶしとアキレス腱のほぼ中央のくぼみにあります。

神経の土台となるエネルギーを補う

※これらは体質に合えば有効ですが、体質が合わなければ効果は弱くなります。

ツボを自分で探す時のコツ

より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。

ツボの基本位置を確認

鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。

押して探す

だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。

体の反応をみる

ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。

ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。

せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点

ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。

「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。

せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。

せんねん灸の使い方

種類を選ぶ

「せんねん灸」には様々な種類があります。
せんねん灸

「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
せんねん灸種類
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。

ツボの場所を決める

どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。

準備

お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。

台座の裏紙を剥がす

「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。

もぐさに点火

巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。

皮膚に据える

火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。

取り外す

使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。

お灸をする上での注意事項

・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。

・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。

・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。

・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。

・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。

・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。

・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。

上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

セルフケアのツボ押しの方法と注意点

ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。

ツボ押しの方法

リラックスできる環境を整える

静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。

ツボの位置を確認

書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。

指の腹で押す

親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。

適度な力で押す

「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。

時間をかけて押す

1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。

呼吸を意識する

力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。

温めてから行うと効果的

入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。

ツボ押しをする上での注意事項

・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。

・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。

・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。

・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。

・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。

・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。

・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。

・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。

上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

鍼灸院での本格的な施術のすすめ

セルフケアでのツボ刺激は、「今つらい状態を和らげる」「体の声に気づく」という点では非常に有効です。

ただし、効果が続かない・だんだん効かなくなる・どのツボが合っているか分からない…と感じているなら、それは「体質そのものを整える段階に来ている」サインです。

当院では、脈・舌・お腹を診て、あなたの神経過敏が「どの体質から来ているのか」を見極め、全身から整える本格的な東洋医学鍼灸を行っています。

「我慢する」でも「薬に頼り続ける」でもない選択肢として、鍼灸という方法があることを、知っていただけたらと思います。

自律神経の乱れの鍼灸についてはこちら

自律神経失調症

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