鍼灸治療を受けたらダルくなった…
鍼灸治療を受けた後のだるさ

「鍼灸を受けた後、なんだか体が重だるい……」
そんな経験をされた方もいるかもしれません。
実はこれは、鍼灸治療でよく見られる反応のひとつで、「好転反応」と呼ばれるものです。
今回は、「鍼灸治療でだるくなる理由」や「どう対処すれば良いのか」について、東洋医学の視点も交えて解説していきます。
鍼灸治療でだるくなるのはなぜ?

鍼灸治療では、体のエネルギー(気血)の流れを整えることで、内側から回復力を高めていきます。
しかし、そのプロセスのなかで一時的に体が「調整モード」に入ることがあり、それが鍼灸治療後の「だるい」「眠い」「体が重い」といった症状として感じられることがあります。
これは多くの場合、体が良い方向へ向かう過程で起こる「好転反応」と呼ばれるものです。
とくに初めて鍼灸を受けた方や、疲れがたまっていた方ほど、反応が出やすい傾向があります。
好転反応とは?
好転反応とは、鍼灸治療によって体のバランスが整い、健康な状態に戻ろうとする過程で一時的に現れる様々な症状のことです。
病気の原因となっていた不要なもの(老廃物や疲労物質など)が排出されたり、停滞していた機能が活性化されることで、体内で大きな変化が起こります。
この変化が体に負担をかけることで、だるさなどの症状として現れると考えられています。
体が悪い状態から良い状態へ切り替わる際の、一時的な調整期間と捉えることができます。
鍼灸治療が体に与える影響

鍼灸治療は、東洋医学の考えに基づき、全身に点在する「ツボ(経穴)」を刺激することで、気の流れや血流を調整し、体の自然治癒力を高めます。
具体的には、以下のような影響が考えられます。
■血行促進
鍼灸の刺激により、滞っていた血流が改善され、酸素や栄養が全身に行き渡りやすくなります。
■自律神経の調整
ストレスや不規則な生活で乱れがちな自律神経のバランスを整え、リラックス効果をもたらします。
■免疫力の向上
体の抵抗力が高まり、病気になりにくい体質へと導きます。
■鎮痛作用
痛みを抑える物質の分泌を促したり、痛みの伝達を抑制する効果が期待できます。
■デトックス効果
代謝が促進され、老廃物の排出がスムーズになります。
これらの変化が体内で一斉に起こることで、一時的に体がだるさや眠気を感じることがあるのです。
だるさ以外の好転反応の症状
だるさ以外にも、以下のような好転反応の症状が現れることがあります。
■眠気
自律神経が整い、体がリラックスすることで眠気が増すことがあります。
■発汗
体内の老廃物が排出される過程で、一時的に汗をかきやすくなることがあります。
■排泄の変化
尿量が増えたり、便通が良くなるなど、排泄機能が活発になることがあります。
■一時的な症状の悪化
治療前よりも痛みが強くなったり、めまいがひどくなるなど、一時的に症状が悪化したように感じることがありますが、これは体が改善に向かうための過程であることがあります。
■感情の変化
気分が不安定になったり、過去の感情が湧き上がってくることもあります。
これらの症状は一時的なものであり、通常は数時間から数日程度で治まります。
だるさは良い兆候? 好転反応の見極め方
鍼灸治療後のだるさは、多くの場合、体が良い方向へ向かっているサイン、つまり「好転反応」である可能性が高いです。
しかし、なかには「体調不良の兆候」である場合もゼロではありません。
ご自身の体と向き合い、適切に判断することが大切です。
好転反応と体調不良の違いを見分けるポイントは以下の通りです。
好転反応
■症状の質
体が内側から温かく感じる、心地よい眠気やだるさ、体の軽さを感じる、前向きな気持ちになる
■持続時間
施術あと数時間~2日ほどで改善することが多い
■施術後の変化
症状が改善に向かう予感、体が楽になる兆候を感じる
体調不良
■症状の質
悪寒、発熱、頭痛、吐き気、痛みの悪化、倦怠感が持続する、気分が落ち込む
■持続時間
症状が長く続く、または悪化していく
■施術後の変化
症状が改善しない、または悪化する
※以上が一般的な違いとなります。
判断に迷う場合は、自己判断せず、必ず鍼灸師に相談してください。
どんな時にだるさが出やすい?
好転反応によるだるさは、以下のような場合に特に現れやすい傾向があります。
■鍼灸治療が初めての方
体が鍼の刺激に慣れていないため、反応が出やすいことがあります。
■長年の不調や慢性疾患がある方
体のバランスが大きく崩れているほど、改善の過程で大きな変化が起こりやすいです。
■ストレスを多く抱えている方
自律神経の乱れが大きい場合、調整される過程で反応が出ることがあります。
■疲労が蓄積している方
鍼灸治療によって体がリラックスし、蓄積された疲労が一気に表面化することがあります。
■体質改善を目指している方
体の根本的な改善を目指す場合、深い部分から変化が起こるため、反応が出やすいことがあります。
好転反応が起こる期間と対処法
好転反応の症状は、個人差がありますが、通常は数時間から2日程度で治まることが多いです。
長くても1週間以内には落ち着くことがほとんどです。
好転反応が出た際の対処法は、基本は「無理せず体を休めること」が最も重要です。
だるさが出た時の対処法
鍼治療後にだるさが出た場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
焦らず、ご自身の体を労わることが大切です。
好転反応かどうか判断に迷う場合や、症状が強く出る、長く続く場合は、すぐに施術を受けた鍼灸師に相談しましょう。
当院では、施術後に患者様が安心して過ごせるよう、丁寧な説明と、疑問や不安にいつでもお答えできる体制を整えています。
以下のような場合は、お早めにご連絡ください。
・だるさ以外の症状(発熱、強い痛み、吐き気など)が続く場合
・症状が数日経っても改善せず、むしろ悪化していると感じる場合
・日常生活に支障をきたすほどの症状が出ている場合
・ご自身の体調に不安を感じる場合
自宅でできるケアと過ごし方

好転反応でだるさが出た場合、ご自宅でできるケアと過ごし方のポイントは以下の通りです。
■十分に休息をとる
何よりも体を休めることが大切です。無理をせず、睡眠をしっかりとるように心がけてください。
■体を温める
温かいお風呂にゆっくり浸かったり、温かい飲み物を飲んだりして、体を芯から温めましょう。
血行が促進され、老廃物の排出を助けます。
■水分補給をしっかり行う
代謝が活発になることで、体内の水分が失われやすくなります。
白湯やお茶などで、こまめに水分を補給しましょう。
■消化の良い食事をとる
体に負担をかけないよう、消化の良いものを中心に摂りましょう。
■激しい運動は避ける
治療後は体がデリケートな状態です。過度な運動は避け、体を労わりましょう。
■ゆったりと過ごす
リラックスできる環境で過ごし、心身ともに休ませてあげてください。
■セルフケアのお灸
足三里(あしさんり)や三陰交(さんいんこう)へのお灸で、ダルさなどを早めに解消します。
だるさが出にくい鍼治療とは

当院では、患者さんの体に負担をかけずに最大の効果を引き出すため、以下の点を重視した鍼治療を行っています。
■丁寧な問診と東洋医学的診断
脈・舌・お腹などを細かく診て、東洋医学に基づいて患者さん一人ひとりの体質や症状を深く理解します。
これにより、その方に最適な施術プランを立てることができ、過剰な刺激を避けることができます。
■心地よい鍼とお灸の施術
0.16mmと平均よりも細い鍼を使用し、熟練した技術で「痛くない鍼」を実現しています。
また、お灸も棒灸、点灸、台座灸など多様な種類を最適な用い方で使い分け、「熱くなく心地よい効かせる施術」を心がけています。
患者さんがリラックスして施術を受けられるため、体の緊張が和らぎ、だるさが出にくくなります。
■全身のツボへのアプローチ
部分的な症状だけでなく、全身のツボ(経穴)を使って全身からアプローチすることで、体の根本的なバランスを整えます。
これにより、体に急激な負担をかけることなく、穏やかに体質改善を促します。
■十分な説明とコミュニケーション
施術前に時間をかけて丁寧に説明し、患者さんの疑問や不安を解消します。なんでも質問できる雰囲気作りを大切にし、患者さんが安心して施術を受けられるように心がけています。
安心感は体の緊張を和らげ、好転反応を穏やかにする助けとなります。
これらの取り組みにより、だるさなどの好転反応を最小限に抑えつつ、最大限の治療効果を目指しています。
まとめ:鍼治療のだるさは、体が良くなるサインかもしれません
鍼治療後に感じるだるさや眠気は、多くの場合、体が健康な状態へと向かう途中で現れる「好転反応」です。
これは、体の自然治癒力が高まり、滞っていた機能が活性化されることで起こる一時的な変化であり、決して悪いことではありません。
当院では、25年の豊富な臨床経験を持つ院長が、お一人おひとりの体質や状態を丁寧に診察し、東洋医学に基づいた本格的な鍼とお灸で、心と体を深く整える施術を行っています。
もし鍼治療後にだるさを感じても、それはあなたの体が変化し、より良い方向へ進んでいる証拠かもしれません。
無理せず体を休め、必要な場合はいつでもご相談ください。
私たちは、鍼とお灸を通じて、皆様が心身ともに健康で、笑顔で過ごせるよう全力でサポートいたします。

