虫刺されにお灸?|東洋医学で解消する方法
虫刺されにお灸
夏のレジャーや庭仕事で避けられないのが虫刺され。
かゆみや腫れに悩まされることも多いですよね。
夏のレジャー…云々と書きましたが、昨今は真夏より逆に涼しくなり始める秋の方が蚊が多いようですので、今回はこの時期に記事を書きました(苦笑)
虫刺されには、一般的には塗り薬や冷やすことで対処しますよね。
ただ、じつは東洋医学の知恵、特にお灸が虫刺されに効果的なことをご存知でしょうか?
東洋医学では古くから「お灸」を虫刺されのケアに使ってきました。
お灸は血流を改善し、気血の巡りを整える作用があり、腫れやかゆみを鎮めるサポートになると考えられています。
薬をなるべく使いたくない方や、自然な方法でケアしたい方に向いているのです。
今回は、鍼灸師である私が、虫刺されに対するお灸のをわかりやすく解説します。
なぜ虫刺されにお灸が効くの?東洋医学が考える体の反応
虫に刺された後、かゆみや腫れが起こるのは、アレルギー反応によるものです。
東洋医学では、これを「熱」と「毒」が体に溜まった状態と考えます。
刺された部分の熱が炎症を悪化させ、かゆみを増幅させるのです。
お灸は、かゆい局所の血行を促進し、炎症の回復を早めることが期待できます。
「熱」と「毒」を体の外に出す手助けをするわけです。
とくに、虫刺されによる炎症を鎮める効果が期待できます。
鍼灸施術は全身のバランスを整えることが得意なので、虫刺されという局所的な症状だけでなく、体が本来持つ自然治癒力を高めることにもつながります。
実際にどうやるの?家庭でできる虫刺されお灸のやり方
自宅で簡単に行える、お灸を使った虫刺されの対処法をご紹介します。
ドラッグストアなどで手に入る、台座付きの「台座灸」を使うのがおすすめです。
※「せんねん灸」の商品名が有名です。
■ちょうど刺された場所の真上に台座灸をすえています。
使う体の部位にもよりますが、熱さの程度はソフトタイプのものから試してほしいです。
場所により異なりますが、お灸の熱感を感じるのと入れ替わりに次第に痒みは消えていきます。
初めのうちは、お灸を据えても、またすぐに痒みを感じますので、痒みがぶり返したら2~3回同じ場所にお灸を据えてみてください。
お灸をすえると初めほどの痒みが戻ることなく、赤みと腫れも引いてきています。
■「線香灸」という方法もあります。
やり方は、線香の火を虫刺されに近づけて、熱いと感じたら離します。
これを、腫れている所全体と刺された場所にしていきます。
数分後には痒みも減り、腫れも引いていくかと思います。
通常は「痒みがぶり返してきたら、再度お灸をすえる」を繰り返していくと、ブヨなどの場合は3日程度で痒みが治まります。
お灸の効果をさらに高める!虫刺されに効くツボ
虫刺されの場所にかかわらず、かゆみや炎症を和らげる効果が期待できるツボもあります。
とくにおすすめのツボを2つご紹介します。
【曲池(きょくち)】
場所:肘を曲げた時にできるシワの先端にあります。
効果:かゆみや湿疹など、皮膚トラブル全般に効果があるとされるツボです。
【血海(けっかい)】
場所:膝の皿の内側の上端から指3本分ほど上にあります。
効果:その名の通り「血」に関わるツボで、血行を促進し、かゆみや炎症を和らげます。
これらのツボにお灸をすることで、虫刺されによる不快感を和らげ、かゆみを抑える効果が期待できます。
お灸で虫刺されをケアするときの注意点
・高熱があるときや体調不良時は避ける
・子どもに使う場合は必ず大人が管理する
・熱いのを我慢しない(やけど予防のため)
・化膿やアレルギー反応が強い場合はすぐ中止する
セルフお灸の際は、以上の点にはお気を付けください。
まとめ
「虫刺されにお灸」というテーマから、東洋医学の知恵と鍼灸の魅力について少しでも知っていただけたら嬉しいです。
お灸というと「腰痛や肩こりの治療」と思われがちですが、虫刺されのような身近なトラブルにも役立ちます。
自然な力で体を整えたい方には、とても相性の良いセルフケアです。
健康な体づくりは、小さな不調から見直すことが大切です。
ご自身の体と向き合うきっかけとして、ぜひ鍼灸を試してみてはいかがでしょうか?
なお、「お灸を試してみたいけど自分では不安」という方は、鍼灸院で専門家の施術を受けるのも安心です。
鍼灸師は体質に合わせたツボを選んでくれるので、虫刺されを含めた「皮膚トラブルが出やすい体質改善」にもつながります。
ご活用ください。