男性も産後うつ?つらい気持ちを東洋医学(鍼灸)でサポート
男性(父親)の産後うつと鍼灸
「まさか自分が…」そう思っていませんか?
奥さんの出産という人生の一大イベントを終え、喜びと同時に押し寄せる疲労感、責任感、そして言葉にできない不安感。
もしかしたら、それは男性の産後うつかもしれません。
当院には、これまで多くの産後うつに悩む女性の患者様が来院され、心身のバランスを取り戻すお手伝いをさせていただきました。
お一人おひとりの声に耳を傾け、東洋医学に基づいた丁寧な施術を行っています。
近年、男性の産後うつも決して珍しいものではないことがわかってきました。
もしあなたが今、西洋医学的な治療に抵抗があったり、どう対処すればよいのか分からなかったりするなら、この記事をお読みください。
東洋医学では、心と体は密接に関係していると考えます。
鍼灸は、身体のバランスを整え、自然治癒力を高めることで、男性の産後うつにも有効な手段となり得ます。
男性の産後うつについて、東洋医学の視点からの原因と、あなたに合った解決策のヒントが見つかるはずです。
男性の産後うつとは
産後うつというと、一般的には出産を終えた女性に起こる心の不調として知られています。
しかし、近年では男性も産後うつを発症することが明らかになってきました。
男性(父親)の産後うつは、日本の研究でも約10%にみられると報告されています。
これは女性と大きく変わらない数値です。
男性の産後うつは、妻の出産後、数週間から数ヶ月の間に現れる、抑うつ気分や不安、怒り、イライラ、集中力の低下、睡眠障害、食欲不振、過活動などの症状を指します。
出産の3~6カ月後が最も発症率の高い時期です。
女性の産後うつと同様に、日常生活に支障をきたすほどの深刻な状態に陥ることもあります。
男性の産後うつの主な症状
■精神的な症状
気分の落ち込み、憂うつ感、怒り、焦燥感、イライラ、集中力の低下、無気力、希死念慮
■身体的な症状
疲労感、倦怠感、睡眠障害(不眠、過眠)、食欲不振または過食、体重の増減、頭痛、肩こり、動悸、めまい
■行動の変化
これまで楽しめていたことへの興味や関心の喪失、社会的な活動の回避、家族とのコミュニケーションの減少、アルコールやタバコの摂取量の増加、過活動
これらの症状は、個人によって現れ方や程度が異なります。
また、一時的なものと捉えられがちで、周囲に理解されにくいことも男性の産後うつの特徴と言えるでしょう。
男性の産後うつへの西洋医学的な治療法
西洋医学的な観点から見ると、男性の産後うつは、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れや、ホルモンバランスの変化、心理的なストレスなどが複合的に影響して起こると考えられています。
そのため、西洋医学的な治療法としては、主に以下のようなものが挙げられます。
■薬物療法
抗うつ薬や抗不安薬などを用いて、脳内の神経伝達物質のバランスを整えることを目的とします。
■カウンセリング・精神療法
心理的なストレスや葛藤を軽減し、問題解決能力を高めるためのサポートを行います。認知行動療法や対人関係療法などが用いられます。
■休息と睡眠の確保
十分な休息と質の高い睡眠をとることは、心身の回復にとって非常に重要です。
■生活習慣の改善
バランスの取れた食事、適度な運動、規則正しい生活を送ることは、心身の健康維持に役立ちます。
■周囲のサポート
家族や友人、職場の同僚など、周囲の理解とサポートを得ることは、精神的な安定につながります。
これらの治療法は、症状の程度や個人の状態に合わせて、医師の判断のもとで選択されます。
男性の産後うつへの東洋医学的な原因
東洋医学では、心と体は密接に繋がっていると考えます。
男性の産後うつも、単なる精神的な問題として捉えるのではなく、体全体のバランスの崩れが原因となっていると考えます。
出産という大きな出来事は、男性にとっても心身に大きな負担となります。
新しい家族が増える喜びとともに、経済的な負担の増加、育児への参加、妻の体調の変化への対応など、様々なストレスにさらされます。
東洋医学的に見ると、男性の産後うつの主な原因としては、以下のものが考えられます。
■気血(きけつ)の不足
出産後の慌ただしい生活や睡眠不足、食生活の乱れなどにより、体を支えるエネルギーである「気(き)」と、全身に栄養を運ぶ「血(けつ)」が不足することがあります。
気血が不足すると、心身の機能が低下し、精神的な安定を保つことが難しくなります。
■肝鬱気滞(かんうつきたい)
ストレスや感情の抑圧などにより、全身のエネルギーの流れを調整する「肝(かん)」の働きが滞ることがあります。
肝の機能が低下すると、イライラや怒りっぽさ、憂うつ感などの精神的な症状が現れやすくなります。
■心脾両虚(しんぴりょうきょ)
考えすぎや心配事などにより、精神活動を司る「心(しん)」と、消化吸収を司り気血を生み出す「脾(ひ)」の働きが弱ることがあります。
心脾両虚になると、不安感や不眠、食欲不振などの症状が現れやすくなります。
■腎虚(じんきょ)
生殖機能や生命力を司る「腎(じん)」の働きが弱ることがあります。
加齢や疲労の蓄積などが原因となります。
腎虚になると、気力の低下や腰痛、耳鳴りなどの症状とともに、精神的な不安定さを招くことがあります。
これらの原因は単独で起こるだけでなく、複合的に影響し合って症状を引き起こすこともあります。
東洋医学では、これらの原因をしっかりと見極め、根本的な改善を目指した施術を行います。
東洋医学的なタイプ別の鍼灸の治療方針
当院では、患者様一人ひとりの体質や症状に合わせて、オーダーメイドの鍼灸治療を行います。
東洋医学的な診察法である「四診(ししん)」(望診・聞診・問診・切診)を用いて、体の状態を詳しく把握し、それぞれのタイプに合わせた治療方針を立てていきます。
以下に、男性の産後うつに見られる代表的な東洋医学的なタイプと、それに対する鍼灸の治療方針をご紹介します。
気血不足タイプ
■症状
疲労感、倦怠感、気力の低下、顔色が悪い、めまい、動悸、息切れ、食欲不振、不眠など
■治療方針
気血を補い、全身の機能を高めることを目指します。
■使用するツボの例
脾兪(ひゆ)、胃兪(いゆ)、足三里(あしさんり)、三陰交(さんいんこう)など
肝鬱気滞タイプ
■症状
イライラ、怒りっぽい、憂うつ感、ため息が多い、胸のつかえ感、喉の異物感、頭痛、肩こりなど
■治療方針
肝の気の流れをスムーズにし、精神的な安定を取り戻すことを目指します。
■使用するツボの例
肝兪(かんゆ)、期門(きもん)、太衝(たいしょう)、合谷(ごうこく)など
心脾両虚タイプ
■症状
不安感、心配性、動悸、不眠、食欲不振、消化不良、忘れっぽい、倦怠感など
■治療方針
心と脾の働きを補い、精神的な安定と消化機能の改善を目指します。
■使用するツボの例
心兪(しんゆ)、脾兪(ひゆ)、神門(しんもん)、内関(ないかん)など
腎虚タイプ
■症状
気力の低下、腰痛、足腰の冷え、耳鳴り、めまい、頻尿、性機能の低下、不安感など
■治療方針
腎の働きを補い、生命力を高めることを目指します。
■使用するツボの例
腎兪(じんゆ)、命門(めいもん)、太谿(たいけい)、関元(かんげん)など
これらのツボはあくまで一例であり、患者様の状態に合わせて、全身のツボ(経穴)を組み合わせて施術を行います。
当院の鍼灸施術は、痛みが少なく、お灸も熱すぎない、心地よい刺激で効果を引き出すことを特徴としています。
また、施術中には、現在の体の状態や治療方針についてわかりやすくご説明いたしますので、安心して施術を受けていただけます。
どんな些細なことでも構いませんので、気になることがあれば遠慮なくご質問ください。
まとめ
今回は、男性の産後うつについて、西洋医学的な視点と東洋医学的な視点から解説しました。
出産という喜ばしい出来事の裏で、男性も様々なストレスを感じ、心身のバランスを崩してしまうことがあります。
もしあなたが今、産後うつの症状で苦しんでいるなら、一人で悩まずに、ぜひ当院にご相談ください。
25年の臨床経験と豊富な知識を持つ院長が、あなたの心と体に寄り添い、東洋医学に基づいた丁寧な施術でサポートいたします。
当院は、鍼とお灸の専門院です。
マッサージや整体といった手技療法は行いませんが、鍼とお灸には絶対の自信があります。
あなたの体の状態をしっかりと見極め、根本的な原因にアプローチすることで、症状の改善だけでなく、体質改善も目指します。
「もしかして自分も産後うつかも…」と感じたら、勇気を出して一歩踏み出してみてください。
当院は、あなたのつらい気持ちを受け止め、笑顔で過ごせる毎日を取り戻すためのお手伝いをさせていただきます。
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