動悸には漢方か鍼灸か?

「動悸」には漢方薬と鍼灸どちらを選ぶ?

動悸の漢方と鍼灸・写真1

動悸がする、その不安な気持ち、よく分かります。
何もしていないのにドキドキしたり、心臓が波打つように感じたりするのは、本当にツラいものです。
夜も眠れなくなってしまうこともあるかもしれません。
今までよく頑張ってこられましたね。心からお察しいたします。

東洋医学では「心(しん)」が、心臓という臓器に加え、精神や意識を司ると考えられています。
そのため、動悸は単に西洋医学で言う「心臓」の問題だけでなく、心身全体のバランスの乱れを反映している場合があるのです。

まずは、ここまで頑張ってきたご自身を労わってあげてください。
ゆっくりと深呼吸をして、温かいお茶でも飲んで、少しでも心身を休めてください。
そして、「大丈夫、きっと良くなる」と信じてください。

漢方薬や鍼灸は、体質を整え、自律神経の乱れや不安を整える助けとなります。

あなたの心が不安が軽くなる日が来ることを願っています。
そして、笑顔で過ごせる時間が少しずつ増えていきますように応援しています。

動悸で悩まれるあなたに、最初に「結論」です
それはズバリ『両方使うのが最善』です

それだけだと身も蓋もないので、それぞれの良さを解説していきますね。

動悸と東洋医学

動悸の漢方と鍼灸・写真2

東洋医学では、動悸は心臓だけでなく、東洋医学での内臓系(肝、脾、腎など他の臓腑)の機能失調や、気・血・水の不足や流れの滞りによって引き起こされると考えます。
そのため、患者さんの体質に基づき原因を探ることが重要です。
以下に主な体質別に説明します。

気虚体質(ききょたいしつ)

特徴:
疲れやすく、息切れしやすい、声が小さい、食欲不振、風邪をひきやすい。

動悸の原因:
全身を巡るエネルギーである「気」が不足しているため、心臓を十分に動かすことができず、動悸が起こりやすくなります。
とくに、過労や食生活の乱れによって脾(消化器系)の機能が低下すると、気を生成する力が弱まり、動悸につながることがあります。

血虚体質(けっきょたいしつ)

特徴:
顔色が悪い、めまい、立ちくらみ、爪の色が白い、目がかすむ、不眠。

動悸の原因:
血の不足により、心臓に十分な栄養が届けられず、動悸が起こります。
女性は月経や出産などで血を消耗しやすいため、血虚による動悸を起こしやすい傾向があります。

陰虚体質(いんきょたいしつ)

特徴:
ほてり、寝汗、口の渇き、便秘、手足のほてり、イライラしやすい。

動悸の原因:
体を潤す陰液が不足することで、相対的に陽気が過剰になり、心臓が興奮しやすくなります。
とくに、更年期以降の女性に多く見られます。

陽虚体質(ようきょたいしつ)

特徴:
手足の冷え、寒がり、顔色が青白い、尿が多い、下痢をしやすい。

動悸の原因:
体を温める陽気が不足することで、全身の機能が低下し、心臓の働きも弱まります。
冷えによって血行が悪くなり、動悸につながることもあります。

気滞体質(きたいたいしつ)

特徴:
イライラしやすい、憂鬱感、お腹が張りやすい、ゲップやおならが多い。

動悸の原因:
気の流れが滞ることで、心臓の動きもスムーズでなくなり、動悸が起こります。
ストレスや精神的な緊張によって気の流れが滞りやすくなります。

瘀血体質(おけつたいしつ)

特徴:
顔色が暗い、シミができやすい、肩こり、生理痛、手足のしびれ。

動悸の原因:
血の流れが滞り、血瘀(血の滞り)が生じることで、心臓への血流が悪くなり、動悸が起こります。
過去の怪我やストレス、冷えなどが原因となることがあります。

東洋医学では、個々の体質をしっかりと見極めることが重要です。
これらの体質は単独で現れるだけでなく、複合的に現れることもあります。

患者さんの体質や生活習慣に合わせて原因を探り、それに応じたアプローチをすることで、全身のバランスを整え、根本的な改善を目指します。
このような視点で患者さんに寄り添いながら治療を進めていくことが、動悸への効果的な対応と言えます。

動悸に効く漢方薬の代表例

動悸の漢方と鍼灸・写真3
東洋医学では、動悸は体質によって原因が異なると考えますので、それぞれの体質に合わせた漢方薬を選ぶことが重要です。

以下に、代表的な体質別に効果が期待できる漢方薬を、選んだ理由と合わせてご紹介します。

気虚体質(ききょたいしつ)の方

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
気を補い、消化機能を高めることで、全身のエネルギー不足を改善し、動悸を緩和します。
疲れやすく、食欲不振、息切れしやすい方に適しています。

・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
気と血の両方を補うことで、心身の虚弱を改善し、動悸を鎮めます。
体力低下、顔色不良、不眠などの症状を伴う方に適しています。

・帰脾湯(きひとう)
気血を補い、精神を安定させることで、不安感や不眠に伴う動悸を改善します。
心身の疲労、不眠、不安感、健忘などを伴う方に適しています。

【選んだ理由】
気虚体質の方は、エネルギー不足が根本原因で動悸が起こりやすいです。
補中益気湯は気を補う代表的な漢方薬で、人参養栄湯は気と血の両方を補うため、より虚弱な方に適しています。
帰脾湯は、気血の不足に加えて精神的な不安や不眠が強い場合に適しています。

血虚体質(けっきょたいしつ)の方

・四物湯(しもつとう)
血を補い、血行を促進することで、心臓に十分な栄養を届け、動悸を改善します。
顔色が悪く、めまい、立ちくらみ、爪の色が白い方に適しています。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血を補い、血の巡りを整えることで、血虚による動悸、めまい、生理不順などを改善します。
とくに女性の血虚による動悸に適しています。

・加味逍遙散(かみしょうようさん)
血を補い、気の巡りを整えることで、精神的な不安定さやイライラに伴う動悸を改善します。
更年期障害など、女性特有の症状を伴う場合に適しています。

【選んだ理由】
血虚体質の方は、血液不足が原因で動悸が起こりやすいです。
四物湯は血を補う基本処方であり、当帰芍薬散は血の巡りを整える作用も併せ持つため、特に女性特有の症状を伴う場合に適しています。
加味逍遙散は、血虚に加えて精神的な症状が強い場合に適しています。

陰虚体質(いんきょたいしつ)の方

・天王補心丹(てんのうほしんたん)
心の陰液を補い、精神を安定させることで、ほてりや不眠に伴う動悸を鎮めます。
寝汗、口の渇き、イライラなどを伴う方に適しています。

・炙甘草湯(しゃかんぞうとう)
心臓の機能を高め、脈拍を整えることで、動悸や息切れを改善します。
体液の不足による動悸、皮膚の乾燥、便秘などを伴う方に適しています。

・麦門冬湯(ばくもんどうとう)
肺を潤し、咳や痰を鎮めることで、呼吸器系の不調に伴う動悸を改善します。
空咳、痰の切れにくい咳、喉の乾燥などを伴う方に適しています。

【選んだ理由】
陰虚体質の方は、体内の潤い不足から相対的に熱がこもり、動悸が起こりやすいです。
天王補心丹は心の陰液を補い、精神を安定させる効果があり、炙甘草湯は心臓の機能を直接的に高める効果があります。麦門冬湯は、陰虚が肺に影響し、呼吸器系の症状を伴う場合に適しています。

陽虚体質(ようきょたいしつ)の方

・真武湯(しんぶとう)
体を温め、水分の代謝を改善することで、冷えによる動悸やむくみを改善します。
手足の冷え、寒がり、下痢などを伴う方に適しています。

・附子理中湯(ぶしりちゅうとう)
体を温め、胃腸の機能を高めることで、冷えによる消化不良や体力低下に伴う動悸を改善します。
食欲不振、腹痛、下痢などを伴う方に適しています。

・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
体を温め、精神を安定させることで、神経過敏による動悸、不眠、不安などを改善します。
比較的体力のない方の神経質な動悸に適しています。

【選んだ理由】
陽虚体質の方は、体の温める力が不足しているため、冷えから動悸が起こりやすいです。
真武湯は体を温め、水分の代謝を改善し、附子理中湯は胃腸を温めることで、体全体の機能を高めます。
桂枝加竜骨牡蛎湯は、陽虚の傾向があり、神経質な動悸を伴う場合に適しています。

気滞体質(きたいたいしつ)の方

・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
気の流れを改善し、精神的な緊張を和らげることで、不安感や動悸を鎮めます。
喉のつかえ、不安感、イライラなどを伴う方に適しています。

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
気の流れを整え、精神的な興奮を鎮めることで、動悸、不眠、イライラなどを改善します。
比較的体力のある方に適しています。

・抑肝散(よくかんさん)
肝気の高ぶりを抑え、神経の高ぶりやイライラに伴う動悸を改善します。
神経過敏、怒りやすい、不眠などを伴う方に適しています。

【選んだ理由】
気滞体質の方は、気の流れの滞りが原因で動悸が起こりやすいです。
半夏厚朴湯は気の巡りを改善し、精神的な緊張を和らげ、柴胡加竜骨牡蛎湯は気の巡りを整えつつ、精神的な興奮を鎮める効果があります。
抑肝散は、特に神経の高ぶりやイライラが強い場合に適しています。

瘀血体質(おけつたいしつ)の方

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血の巡りを改善し、血瘀(血の滞り)を解消することで、血行不良による動悸、肩こり、生理痛などを改善します。

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
下腹部の血瘀を改善し、便秘に伴う動悸や精神不安を鎮めます。
便秘、下腹部痛、精神不安などを伴う方に適しています。

・血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)
全身の血行を改善し、瘀血による様々な症状を改善します。
胸の痛み、動悸、頭痛、肩こりなどを伴う方に適しています。

【選んだ理由】
瘀血体質の方は、血の滞りが原因で動悸が起こりやすいです。
桂枝茯苓丸は血の巡りを改善する代表的な処方であり、桃核承気湯は特に下腹部の血瘀を改善する効果があります。
血府逐瘀湯は、瘀血が全身に及んでいる場合に適しています。

以上のように、
「動悸にはこの薬」のような病名からの処方ではなく、「その人の体質・状態にはこの薬」という体質からの処方が勧められます
ですので、同じ病名に悩む人にも異なる漢方薬が出ることも少なくありません。
こういう治療の組み立てをするのが東洋医学です。

漢方薬は医師や薬剤師などの専門家と相談の上、服用するようにしてください。

動悸に効く鍼灸のツボ

動悸の漢方と鍼灸・写真4
東洋医学では、動悸は体質によって原因が異なると考えますので、それぞれの体質に合わせたツボを選ぶことが大切です。

以下に、代表的な体質別に効果が期待できるツボを2つずつ、選んだ理由と合わせてご紹介します。

気虚体質(ききょたいしつ)の方

・気海(きかい)
下腹部(おへそから指2本分下)に位置し、気を補い、全身のエネルギーを高める効果があります。
気虚による動悸は、エネルギー不足が根本原因なので、気を補うことで改善が期待できます。

・足三里(あしさんり)
膝の外側の下、くぼんだところに位置し、消化機能を高め、気を生成する力を養います。
気虚体質の方は、消化機能が低下している場合が多く、足三里を刺激することで、気を補うとともに、胃腸の調子を整え、動悸の改善につながります。

【選んだ理由】
気虚体質の方は、エネルギー不足が根本原因で動悸が起こりやすいです。
気海は気を補う代表的なツボであり、足三里は消化機能を高め、気を作り出す力をサポートします。

血虚体質(けっきょたいしつ)の方

・心兪(しんゆ)
背部、第5胸椎棘突起の下、外側1.5寸に位置し、心臓に直接働きかけ、血を補い、血行を促進する効果があります。
血虚による動悸は、心臓への栄養不足が原因なので、心兪を刺激することで、心臓に栄養を届け、動悸を改善します。

・膈兪(かくゆ)
背部、第7胸椎棘突起の下、外側1.5寸に位置し、血液を浄化し、血行を促進する効果があります。
血虚体質の方は、血液の質も低下している場合があるので、膈兪を刺激することで、血液を浄化し、血行を改善することで、動悸の改善につながります。

【選んだ理由】
血虚体質の方は、血液不足が原因で動悸が起こりやすいです。
心兪は心臓に直接働きかけるツボであり、膈兪は血液の質を改善する効果があります。

陰虚体質(いんきょたいしつ)の方

・内関(ないかん)
手首の内側、手首のしわから指3本分上に位置し、精神を安定させ、熱を冷ます効果があります。心に対しての効果も高いです。
陰虚体質の方は、体内の潤い不足から相対的に熱がこもり、動悸が起こりやすいので、内関を刺激することで、精神を安定させ、熱を冷ますことで、動悸を鎮めます。

・太谿(たいけい)
内くるぶしとアキレス腱の間に位置し、腎の機能を高め、体内の潤いを補う効果があります。
陰虚体質の方は、腎の機能低下により、体内の潤いが不足している場合があるので、太谿を刺激することで、潤いを補い、動悸の改善につながります。

【選んだ理由】
陰虚体質の方は、体内の潤い不足から相対的に熱がこもり、動悸が起こりやすいです。
内関は精神を安定させ、熱を冷ます効果があり、太谿は腎の機能を高め、潤いを補う効果があります。

陽虚体質(ようきょたいしつ)の方

・関元(かんげん)
下腹部(おへそから指4本分下)に位置し、体を温め、エネルギーを高める効果があります。
陽虚体質の方は、体の温める力が不足しているため、冷えから動悸が起こりやすいので、関元を刺激することで、体を温め、エネルギーを高めることで、動悸を改善します。

・命門(めいもん)
背部、第2腰椎棘突起の下に位置し、腎の陽気を高め、体を温める効果があります。
陽虚体質の方は、腎の陽気不足により、体が冷えやすいので、命門を刺激することで、体を温め、動悸の改善につながります。

【選んだ理由】
陽虚体質の方は、体の温める力が不足しているため、冷えから動悸が起こりやすいです。
関元は体を温め、エネルギーを高める効果があり、命門は腎の陽気を高め、体を温める効果があります。

気滞体質(きたいたいしつ)の方

・膻中(だんちゅう)
胸の中央、左右の乳首を結んだ線の中央に位置し、気の
巡りを改善し、精神的な緊張を和らげる効果があります。
気滞体質の方は、気の流れの滞りが原因で動悸が起こりやすいので、膻中を刺激することで、気の巡りを改善し、精神的な緊張を和らげることで、動悸を鎮めます。

・合谷(ごうこく)
手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置し、気の巡りを改善し、ストレスを緩和する効果があります。
気滞体質の方は、ストレスによって気の流れが滞りやすいので、合谷を刺激することで、ストレスを緩和し、気の巡りを改善することで、動悸の改善につながります。

【選んだ理由】
気滞体質の方は、気の流れの滞りが原因で動悸が起こりやすいです。
膻中は気の巡りを改善し、精神的な緊張を和らげる効果があり、合谷は気の巡りを改善し、ストレスを緩和する効果があります。

瘀血体質(おけつたいしつ)の方

・血海(けっかい)
膝の内側、膝のお皿の上端から指3本分上に位置し、血の巡りを改善し、血瘀(血の滞り)を解消する効果があります。
瘀血体質の方は、血の滞りが原因で動悸が起こりやすいので、血海を刺激することで、血の巡りを改善し、血瘀を解消することで、動悸を改善します。

・三陰交(さんいんこう)
内くるぶしから指4本分上に位置し、血行を促進し、婦人科系の不調にも効果があります。
瘀血体質の方は、血行不良による様々な症状が現れやすいので、三陰交を刺激することで、血行を促進し、動悸の改善につながります。

【選んだ理由】
瘀血体質の方は、血の滞りが原因で動悸が起こりやすいです。
血海は血の巡りを改善し、血瘀を解消する効果があり、三陰交は血行を促進する効果があります。

以上、
「動悸に良いツボ」も全身のあちこちにあります。
それは「心臓=胸」という考えでなく「体質の異常=全身の問題」と捉えるためで、それを改善するツボは全身にあります

漢方薬と鍼灸のどちらかしか選べないなら…

動悸でお悩みのあなたが漢方薬と鍼灸で迷っているとします。
どちらも自費で費用が気になるのも分かります。
どちらも効果的な治療法なのでどちらが良いか迷うのは当然です。

もし私でしたら、まずはどちらでも「自分が気になった方・効きそうと感じた方」から始めてみてはいかがでしょうか

漢方薬と鍼灸のメリットデメリットをいくつか比較してみます。

漢方薬は費用負担が少ない可能性

漢方薬も漢方薬局などの場合は自費になりますが、保険がきくクリニックなどでの処方は比較的安価(保険適応なので)で、ある程度の期間服用できるため、初期費用を抑えながら様子を見ることができます。
経済的な負担を考慮すると、まずは「病院の漢方薬」を試してみるのもお勧めです。

他にどんな悩みがあるか?で決める

「動悸」は様々な原因が考えられますし、「動悸」のみという方も少ないです。
それ以外の体の悩みの傾向で決めていくのも考え方としてはアリです。

漢方薬は内臓系が得意ですので、更年期などホルモンバランスの変化や胃腸症状などが強ければまずは漢方薬から始めるのも良いでしょう。
鍼灸は神経系やコリ痛み系が得意ですので、肩こり・腰痛・頭痛・しびれ・自律神経の乱れなどが強ければ鍼灸から始めるのも良いでしょう。

通院の負担と服用の負担から考える

たとえば鍼灸は治療院に週1回程度通う必要がありますが、漢方薬は2週間に1回程度の通院が多いです。
通院の手間は鍼灸院の方が多いですが、施術日以外はとくに何もしないで済みます。
一方、漢方薬は自宅での服用が必要です。
1日3回、食事と食事の間(食前2時間くらい)に飲むのも手間です。
忙しい患者さんにとって、どちらの方が時間の節約になるでしょうか。

どちらかを選択して、ある程度の期間(1~3ヶ月間ほど)試しても効果が実感できない場合は、もうひとつに切り替えるといいでしょう
ご自身の症状や経済状況に合わせて、最適な治療法を選択する参考になさってください。

まとめ

最初の結論にもう一度書きます。

「動悸には漢方薬と鍼灸を併用するのがベスト」です。

漢方薬と鍼灸を同時に使うメリットを以下に挙げます。

1)相乗効果の発揮
漢方薬は体の内側から、鍼灸は体の外側から治療を行い、それぞれの効果を高め合います。

2)全身のバランス調整
漢方薬は全身のエネルギーや血流を調整し、鍼灸は経絡を刺激して気の流れを整えるため、体全体のバランスがより良くなります。

3)症状の緩和と根本治療の両立
鍼灸は自律神経系に即効性があり、漢方薬は内臓系を改善するため、両方の効果を同時に期待できます。

4)個別のニーズに対応可能
漢方薬と鍼灸の組み合わせで、患者さんの体質や症状に応じた柔軟な治療プランを作成できます。
「動悸」だけではなく、肩コリ・胃もたれ・イライラ・冷えのぼせ・腰痛など、メインのお悩み以外の症状も併せ持つ人が少なくありません。
それらには鍼灸の得意分野・漢方薬の得意分野がありますので、併用が最大の効果となります。

5)自然治癒力の最大化
鍼灸の刺激が体の自然治癒力を引き出し、漢方薬がその力を補完することで、治癒力を最大限に引き出せます。
両者を適切に組み合わせることで、東洋医学の全体的な効果をより引き出すことができます。

以上、
一言で言えば『鍼灸と漢方薬は併せて東洋医学』ということですね。

ぜひ西洋医学だけでなく、
東洋医学(漢方薬・鍼灸)も病気治癒や健康増進のために活用することをお勧めいたします。

ちなみに、
漢方薬と鍼灸の違いについてはこちらに書きました。

『漢方薬と鍼灸の違いってなに?』

漢方薬と鍼灸の違いってなに?

また、当院は鍼灸院なので鍼灸推しです。
詳細は下記リンクをどうぞ。

動悸