耳鳴りに効くツボ

耳鳴りに効くツボ

耳鳴りに効くツボ・写真1

耳鳴りに悩まされるのは、とてもつらいことですね。
眠れない、集中できないなど、日常生活に支障をきたすこともあります。
まずは、毎日頑張っているご自身に「お疲れ様」と声をかけてあげてください。

耳鳴りは、西洋医学的には内耳の問題や血流の不調、ストレス、加齢などが原因とされます。

一方、東洋医学では「腎(じん)」「肝(かん)」「脾(ひ)」などの内臓系の働きの乱れが関係すると考えます。
東洋医学では、体質や原因に合わせたアプローチを行うことで、耳鳴り改善を目指します。

今回は、耳鳴りに効果的なセルフケアのツボ押しやお灸のツボをご紹介します

体質別・耳鳴りに効果的なツボ

耳鳴りの原因は人それぞれ異なります。
東洋医学では、体質ごとに適したツボを選ぶことで、より効果的なケアができます。

腎虚タイプ(加齢・慢性的な疲れがある方)

特徴:耳鳴りが高音で冷えてキーンと鳴る、聴力低下、腰や膝がだるい

おすすめのツボ:

腎兪(じんゆ)

まずヒジの高さを確認します。ヒジと同じ高さで背骨の両脇を親指で押して気持ちよく感じるところ。
腎を補い、耳の機能を助ける。

太谿(たいけい)

内くるぶしとアキレス腱のほぼ中央のくぼみにあります。
腎のエネルギーを高め、耳の止まりを防ぐ

失眠(しつみん)

かかとの真ん中が失眠です。
腎を補い、睡眠の質を改善。

肝火上炎タイプ(ストレスが多い方)

特徴:耳鳴りが突然起こる、時々で大きく変動する、ストレスや怒りで体調不良、顔がほてる、目の充血

おすすめのツボ:

太衝(たいしょう)

足の甲にあります。足の親指と人差し指の骨が交わる所です。
肝経のツボで、気の巡りを整え、イライラや精神的な緊張を和らげる効果があります。

風池(ふうち)

首の後ろの左右のスジに指をおき、指をすり上げていきます。髪の生え際まできたら、左右外側のくぼみでいちばんへこんでいるところ。
肝火を鎮め、頭部の巡りを良くする。

百会(ひゃくえ)

耳のいちばん高いとこりに親指をあて中指を頭のてっぺんにあててそこから前げ押しながら移動し、気持ちよく感じるところ。
自律神経を整える、精神の安定を変える。

気血両虚タイプ(疲れやすい、栄養不足の方)

特徴:耳鳴りが小さく、持続的に「シー」と聞こえる、めまい、顔色が悪い、疲れやすい

おすすめのツボ:

関元(かんげん)

指幅4本をそろえて人さし指をおへそにおき、小指があたっているところ。
気を補い、体全体のエネルギーを高める。

足三里(あしさんり)

膝のお皿のすぐ下、外側のくぼみに人差し指を置き、指幅4本揃えて小指が当たっているところにあります。
消化機能を整える、気血を補う。

三陰交(さんいんこう)

内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、指幅4本そろえて、人さし指があたっているところが三陰交です。
肝・脾・腎の三つの経絡が交わるツボで、女性にとって特に重要なツボで、3つの経絡が交わる場所にあります。
血の巡りを良くし、栄養を補う。

痰湿タイプ(むくみやすい、耳が詰まる感じがある方)

特徴:耳鳴りが低音で「ボー」と聞こえる、耳の聞こえ感、頭が重い、胃腸が弱い、むくみやすい

おすすめのツボ:

陰陵泉(いんりょうせん)

膝の内側、太い骨(脛骨)の下にあるくぼみです。
水分の代謝を調整し、むくみを改善する効果があります。

豊隆(ほうりゅう)

下腿(すね)の外側、膝と足首の中間あたりに位置しています。筋肉が盛り上がっている部分で、外くるぶしから親指8本分上の場所。
体内の余裕な水分を排出し、耳の詰まりを軽減。

中脘(ちゅうかん)

おへそに小指をあてて、親指までの指幅5本。親指があたっているところを目安にして指でやさしくなでるとへこみがあるところ。
胃腸の働きを整え、痰湿の原因を減らす。

ツボを自分で探す時のコツ

より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。

ツボの基本位置を確認

鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。

押して探す

だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。

体の反応をみる

ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。

ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。

せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点

ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。

「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。

せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。

せんねん灸の使い方

種類を選ぶ

「せんねん灸」には様々な種類があります。
せんねん灸

「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
せんねん灸種類
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。

ツボの場所を決める

どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。

準備

お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。

台座の裏紙を剥がす

「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。

もぐさに点火

巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。

皮膚に据える

火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。

取り外す

使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。

お灸をする上での注意事項

・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。

・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。

・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。

・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。

・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。

・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。

・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。

上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

セルフケアのツボ押しの方法と注意点

ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。

ツボ押しの方法

リラックスできる環境を整える

静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。

ツボの位置を確認

書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。

指の腹で押す

親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。

適度な力で押す

「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。

時間をかけて押す

1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。

呼吸を意識する

力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。

温めてから行うと効果的

入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。

ツボ押しをする上での注意事項

・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。

・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。

・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。

・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。

・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。

・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。

・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。

・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。

上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

鍼灸院での本格鍼灸のススメ

セルフケアのツボ押しやお灸も大切ですが、鍼灸院での施術はより深い効果ができます。
耳鳴りの原因となる「腎」「肝」「脾」のバランスを整えることで、体全体の期待を巡って改善し、根本的な回復を目指します。

鍼灸では、体質に合わせて適切なツボにやお灸を施し、血流を促進し、神経の興奮を鎮めることができます。
また、耳周囲の経絡を刺激することで、耳鳴りを直接緩和することも可能です。

耳の周囲のツボは、
耳門 (じもん):耳の穴の前にあるツボ
聴宮 (ちょうきゅう):耳の穴の前にあるツボ
聴会 (ちょうえ):耳の穴の前にあるツボ
…などがあります。

これらのツボは、耳の周りの血流を改善し、耳鳴りを改善すると考えられています。

耳鳴りは一度の施術で完全に消えるものではありませんが、継続的なケアにより、症状の軽減や再発予防が期待できます。
鍼灸治療はリラックス効果も高く、ストレスの耳鳴りにも有効です。

つらい症状を少しでも楽にするために、ぜひ鍼灸院での本格的な鍼灸施術もお試しください。

耳鳴り鍼灸の詳しくはこちら

耳鳴り