寝つきが悪い不眠に効くツボ

寝つきが悪い不眠に効くツボ

寝つきが悪い不眠に効くツボ・写真1

眠れない夜は、本当にツラいものですよね。
日中のパフォーマンスにも影響が出てしまうこともあるでしょう。
心身ともに休まる時間を十分に取れていない現状は、ご不安かと思います。

今回は、少しでも心地よい眠りを取り戻されるよう、寝つきの悪い不眠に効くツボをご紹介しますので、セルフケアにお役立てください

西洋医学からみた不眠

西洋医学において「寝つきが悪い不眠」とは、入眠困難に分類される睡眠障害の一つです。

一般的に、寝床に入ってから30分~1時間以上寝付けない状態が週に3回以上あり、それが1ヶ月以上続いている場合に診断されます。

不眠の原因は多岐にわたります。

精神的なストレスや不安、うつ病などの精神疾患、身体的な痛みや病気(例:関節炎、喘息、心不全、甲状腺機能亢進症など)、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群といった睡眠関連疾患、さらにはカフェインやアルコールの過剰摂取、不規則な生活習慣、薬の副作用などが挙げられます。

脳の覚醒を促す神経伝達物質(ヒスタミン、ノルアドレナリンなど)と、睡眠を促す神経伝達物質(GABA、セロトニンなど)のバランスが崩れることで、寝つきが悪くなると考えられています。

具体的には、ストレスによって交感神経が優位になり、脳が興奮状態になってしまうことなどが挙げられます。

西洋医学的な治療法

西洋医学における不眠の治療は、まず原因となっている疾患や生活習慣の改善が基本となります。

■薬物療法
睡眠導入剤(ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系など)が処方されることがあります。
一時的な使用に留め、依存性や副作用に注意しながら、医師の指導のもとで服用します。

■認知行動療法
不眠に対する誤った考え方や行動パターンを修正していく心理療法です。
睡眠衛生指導(規則正しい生活、寝室環境の整備など)も含まれます。

■原因があればその治療
不眠の原因となっている身体疾患や精神疾患がある場合は、その治療を優先的に行います。

東洋医学からみた寝つきが悪い不眠

寝つきが悪い不眠に効くツボ・写真2

東洋医学では、寝つきが悪い不眠を単なる「眠れない」という症状として捉えるだけでなく、その人の体質や生活習慣、病の進行度合いなど、全身の状態から根本原因を探ります。

五臓六腑の機能や気血水の巡り、陰陽のバランスの乱れとして捉え、主に以下の体質に分けて考えます。

肝鬱気滞(かんうつきたい)タイプ

ストレスや精神的な抑圧が原因で、気の巡りが滞っている状態です。
肝は気の巡りをスムーズにする働きがありますが、ストレスによってその機能が低下すると、気が滞り、イライラ、怒りっぽい、胸や脇が張る、ため息が多い、喉に物が詰まったような感覚があるなどの症状が現れます。

寝つきが悪いだけでなく、眠りが浅い、夢をよく見る、夜中に目が覚めるなどの症状も伴いやすいです。

心脾両虚(しんぴりょうきょ)タイプ

精神的な疲労や過度の思考、食生活の不摂生などによって、心と脾の機能が低下している状態です。
心は精神活動を主り、脾は飲食物から気血を生成する働きをします。

心血が不足すると心が安まらず、脾の機能が低下すると気血の生成が滞り、心に十分な血が供給されなくなります。
これにより、寝つきが悪いだけでなく、動悸、健忘、めまい、顔色が悪い、食欲不振、倦怠感、下痢などの症状が伴います。考えすぎると眠れなくなる方に多く見られます。

陰虚火旺(いんきょかおう)タイプ

体の潤いである「陰液(いんえき)」が不足し、相対的に熱がこもっている状態です。
加齢や過労、慢性的な疾患などが原因で陰液が消耗し、心や腎の陰が不足すると、虚熱(きょねつ)が生じて精神を乱し、寝つきが悪くなります。

寝汗、口や喉の乾燥、手足のほてり、耳鳴り、めまい、腰や膝のだるさなどの症状が伴います。
更年期の女性に多く見られるタイプです。

痰熱内擾(たんねつないじょう)タイプ

脂っこい食事や甘いものの摂りすぎ、飲酒などによって体内に「痰湿(たんしつ)」が蓄積し、それが熱と結びついて「痰熱(たんねつ)」となり、精神を擾乱している状態です。

痰熱が心の働きを妨げることで、寝つきが悪くなります。頭が重い、胸苦しい、痰が多い、口が苦い、胃のむかつき、便秘、多夢などの症状が伴います。
肥満気味の方や胃腸が弱い方に多く見られます。

寝つきが悪い不眠に効くツボ

東洋医学では、全身のツボ(経穴)を使って、気血水の巡りを整え、五臓六腑のバランスを調整することで不眠を改善します。
寝つきが悪い不眠に対しては、特に「心を落ち着かせる」「気の巡りを良くする」「体内の熱を冷ます」「体液を補う」といった作用を持つツボを選んで施術を行います。

寝つきが悪い不眠に効く共通のツボ

どの体質の方にも共通して効果が期待できるツボとして、以下のツボが挙げられます。
これらのツボは、精神を安定させ、リラックス効果を高める作用があります。

■神門(しんもん)

手首の曲がりジワを小指側へなでてゆき、骨の出っぱりの手前で指が止まるところが神門です。

心を落ち着かせ、精神的な緊張を和らげる効果があり、不眠、動悸、不安感などに広く用いられます。

■内関(ないかん)

手首の曲がりジワに薬指をおき指幅3本そろえて人さし指があたっているところ、腕の幅の真ん中が内関です。

心を落ち着かせ、吐き気や胃の不調にも効果があります。

■安眠(あんみん)
安眠穴・写真

耳たぶの後ろにある骨の出っ張り(乳様突起)と、後頭部の生え際の少し上にあるくぼみの中間点にあります。

その名の通り、安眠効果が期待できるツボです。

寝つきが悪い不眠に効果的な体質別のツボ

各体質の原因と症状に合わせて、より効果的なツボを組み合わせます。

肝鬱気滞タイプ

■太衝(たいしょう)

足の甲にあります。足の親指と人差し指の骨が交わる所です。

肝の気の滞りを解消し、イライラやストレスを緩和する効果があります。

■期門(きもん)


みぞおちから肋骨の下縁をたどり、鎖骨の下で、乳首と同じ線上にある。
もしくは、みぞおちから肋骨へ指を移動し、肋骨と肋骨の間を押して痛みを感じるところが期門です。

肝の気の滞りを直接的に解消し、胸の張りや脇の痛みに効果的です。

心脾両虚タイプ

■三陰交(さんいんこう)

内くるぶしのいちばん高いところに小指をおき、指幅4本そろえて、人さし指があたっているところが三陰交です。

脾、肝、腎の3つの陰経が交わる点で、気血を補い、特に脾の機能を高めて心血の生成を助けます。

■足三里(あしさんり)

膝のお皿のすぐ下、外側のくぼみに人差し指を置き、指幅4本揃えて小指が当たっているところにあります。

胃腸の機能を高め、気血の生成を促進し、全身の気力を高めます。

■心兪(しんゆ)

肩甲骨の下端と同じ高さにある背骨の隙間から上に2つあがったところ(3cmほど上)、胸椎の5番目と6番目の間でへこんでいる部分から指幅2本分外側です。

心を養い、精神的な疲労や動悸に効果的です。

陰虚火旺タイプ

■復溜(ふくりゅう)

内くるぶしのいちばん高いところに薬指をおき、指幅3本そろえて人さし指があたっているアキレス腱の前。

腎の陰を補い、余分な熱を鎮めます。

痰熱内擾タイプ

■豊隆(ほうりゅう)

下腿(すね)の外側、膝と足首の中間あたりに位置しています。筋肉が盛り上がっている部分で、外くるぶしから親指8本分上の場所。

体内の痰湿を取り除き、胃腸の機能を整えます。

■中脘(ちゅうかん)

おへそに小指をあてて、親指までの指幅5本。親指があたっているところを目安にして指でやさしくなでるとへこみがあるところ。

胃腸の働きを整え、痰湿の生成を抑えます。

ツボを自分で探す時のコツ

より効果的なツボをご自身で探す際は、以下の点を意識してみてください。

ツボの基本位置を確認

鍼灸院での指導や書籍、ウェブサイトなどでツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴の場合、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置します。

押して探す

だいたいの目安の場所の近辺を指で軽く押しながら、周囲を探ります。
「イタ気持ちいい」感覚や、ズーンと響くような感覚がある場所が、ツボの可能性が高いです。
合谷であれば、骨の交わる部分からやや人差し指側を探ると、凹みがあり、圧痛を感じる場所が見つかるはずです。

体の反応をみる

ツボを押すと、血行が良くなったり、体が温まったりする感覚がある場合があります。

ただし、ツボの位置は個人差がありますので、あくまで目安として捉え、無理に強い力で押さないように注意しましょう。
もし不安な場合は、鍼灸師などの専門家にご相談ください。

せんねん灸(台座灸)の使い方と注意点

ご自宅で手軽にできるセルフお灸として、「せんねん灸」の使い方と注意点について解説します。

「せんねん灸」は、ドラッグストアなどで手軽に購入できるお灸の製品名です。
せんねん灸タイプのお灸は「台座灸」と呼びます。

せんねん灸と似たような形の他の商品も多数あり、使用方法などは基本的には同様です。

せんねん灸の使い方

種類を選ぶ

「せんねん灸」には様々な種類があります。
せんねん灸

「ソフト(弱)」「レギュラー(中間)」「あつめ(強)」の3つの種類があります。
せんねん灸種類
初めての方は、熱さが「マイルドなタイプ」から試してみることをお勧めします。

ツボの場所を決める

どのツボを使うかはあらかじめ決めておき、ツボの目安を指でさぐりながらより効き目の高いポイントを決めて、ペンなどで印をつけます。

準備

お灸を据える場所を清潔にし、皮膚に異常がないか確認します。

台座の裏紙を剥がす

「せんねん灸」の台座裏についている薄い紙を剥がします。

もぐさに点火

巻きもぐさの先端に線香などで火をつけます。

皮膚に据える

火がついた「せんねん灸」を、ツボに据えます。
熱さを感じたら、無理せずすぐに取り外してください。我慢は禁物です。

取り外す

使用後、完全に火が消えていることを確認してからとりあえずして、捨ててください。

お灸をする上での注意事項

・熱さを我慢しない
熱すぎると感じたら、すぐに取り外してください。無理に我慢すると、やけどの原因になります。

・同じ場所に続けて据えない
皮膚に負担がかかるため、同じ場所に続けてお灸を据えるのは避けましょう。

・顔面、粘膜、傷口、炎症部位への使用は避ける
これらの部位は皮膚がデリケートなため、お灸の使用は避けてください。

・発熱時、飲酒時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける
体調が優れない時は、お灸を控えるようにしましょう。

・皮膚の弱い方、アレルギー体質の方は注意
使用前に必ずパッチテストを行うか、医師や薬剤師に相談してください。

・使用中に異常を感じたら、直ちに使用を中止し、医師に相談
万が一、皮膚に異常が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

・乳幼児への使用は避ける
小さなお子様への使用はお控えください。

・火の取り扱いに注意
火を使うため、火災には十分に注意してください。
周囲に燃えやすいものがないことを確認し、換気をしながら行いましょう。

上記に注意して、安全にせんねん灸をご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

セルフケアのツボ押しの方法と注意点

ご自宅で簡単にできるセルフケアとして、ツボ押し(マッサージ)について解説いたします。
ツボ押しは、体の不調を和らげたり、リラックス効果を高めたりするのに役立ちます。

ツボ押しの方法

リラックスできる環境を整える

静かな場所で、楽な姿勢で行いましょう。

ツボの位置を確認

書籍やウェブサイトなどで、目的のツボの位置を確認します。
たとえば「合谷(ごうこく)」穴は、手の甲、親指と人差し指の骨が交わるあたりです。

指の腹で押す

親指や人差し指の腹を使い、ツボを垂直に押します。爪を立てないように注意しましょう。

適度な力で押す

「イタ気持ちいい」と感じる程度の力で、ゆっくりと押します。
強く押しすぎると、痛みを感じたり、皮膚を傷めたりする可能性があります。

時間をかけて押す

1つのツボにつき、5秒から10秒程度、ゆっくりと押したり離したりを繰り返します。数回繰り返すと効果的です。

呼吸を意識する

力を入れる時に息を吐き、力を抜く時に息を吸うと、よりリラックスできます。

温めてから行うと効果的

入浴後など、体が温まっている状態で行うと、血行が促進され、より効果を感じやすくなります。

ツボ押しをする上での注意事項

・食直後、飲酒時、発熱時、妊娠中、体力が著しく低下している時は避ける:
体調が優れない時は、ツボ押しを控えましょう。

・皮膚に炎症や傷がある場合は避ける:
患部を刺激することで、症状が悪化する可能性があります。

・強く押しすぎない:
強い力で押すと、筋肉や血管を傷つける可能性があります。あくまで「イタ気持ちいい」程度の力で行いましょう。

・長時間同じ場所を押さない:
皮膚に負担がかかるため、長時間同じ場所を押すのは避けましょう。

・力を抜くことを意識する:
力を入れっぱなしにすると、筋肉が緊張してしまい、効果が得られにくくなります。

・体調に異変を感じたら中止する:
ツボ押し中に体調が悪くなった場合は、直ちに中止し、必要に応じて医師に相談してください。

・乳幼児へは避ける:
小さなお子様へはお控えください。

・持病のある方は医師に相談:
心臓疾患や高血圧など、持病のある方は、ツボ押しを行う前に医師に相談してください。

上記に注意して、安全にツボ押しをご活用ください。
ご不明な点があれば、お近くの鍼灸師にご相談ください。

ドライヤーお灸のやり方と注意事項

ドライヤーお灸は、火を使わずにドライヤーの温風を利用してツボを温める、手軽で安全な方法です。
広い範囲を温める場合や、火を使うお灸に抵抗がある方や、初めてお灸を試す方におすすめです。

ドライヤーお灸のやり方

準備

ドライヤーと、もしあればですが、姿見もしくは手鏡を用意します。
手鏡があると、背中など見えにくい部分のツボを温める際に便利です。

温風の当て方

ドライヤーを肌から5~10cmほど離します。
近すぎると熱くなりすぎるため、必ず距離を保ってください。

温風の温度は、低温(50~60度程度)に設定します。
ドライヤーに温度調節機能がない場合は、ドライヤーと肌の距離を調整することで熱さを調節します。
熱く感じたらすぐにドライヤーを離すようにしてください。

温風を当てる時間は、1つのツボにつき、熱いと感じたら離す、を5回程度繰り返します。
連続して長時間当て続けるのは避けましょう。

温める場所

特定のツボを意識する必要はありますが、厳密な位置にこだわる必要はありません。
ドライヤーの温風は比較的広い範囲に当たるため、「面」で温めるイメージで大丈夫です。
ツボの周辺をじんわりと温めることで、効果が期待できます。

行う頻度

朝晩2回程度行うのがおすすめです。
ご自身の体調や生活に合わせて、無理のない範囲で行ってください。

ドライヤーお灸の注意事項

・怪我や炎症、痛みなどで熱を持っている部位には使用しないでください。症状が悪化する可能性があります。

・泥酔時や発熱時など、体調がすぐれない場合は使用を控えましょう。

・他人にドライヤーお灸を行うのは避けてください。
温度の感じ方には個人差があり、火傷をさせてしまう可能性があります。

・使用中に皮膚に異常(赤み、かゆみ、痛みなど)が現れた場合は、直ちに使用を中止し、必要に応じて医師に相談してください。

・同じ部位に長時間当て続けないように注意してください。
低温火傷の原因となることがあります。

セルフケアのすすめと本格的な施術

日々の生活の中で、ご自身でツボを刺激することで、不眠の症状を和らげることができます。

上記でご紹介したツボを、指の腹でゆっくりと気持ち良い程度の強さで押したり、温めたりしてみてください。

寝る前にツボを刺激することで、リラックス効果が高まり、寝つきが良くなることが期待できます。

また、以下の点にも気を付けてみてください。

・規則正しい生活リズム: 毎日同じ時間に寝起きすることで、体内時計が整います。

・寝室環境の整備: 暗く静かで、快適な温度の寝室を保ちましょう。

・寝る前のリラックス: 入浴、ストレッチ、読書など、心身をリラックスさせる時間を作りましょう。

・カフェインやアルコールの制限: 寝る数時間前からは摂取を控えましょう。

しかし、セルフケアだけではなかなか改善しない、あるいは症状が重いと感じる場合は、専門家による本格的な鍼灸施術をお勧めします。

当院では、時間をかけて丁寧にお話を伺い、脈、舌、お腹などからあなたの体質を詳細に判別します。
その上で、東洋医学理論に基づいた本格的な鍼灸施術で、全身のバランスを整え、根本から不眠を改善していきます。

鍼は平均的な鍼灸院よりも細い0.16mmの鍼を使用し、お灸も多様な種類の中から最適なものを選びますので、痛みや熱さを感じることなく、心地よい刺激で効果を実感いただけます。

長年の不眠でお悩みの方も、鍼灸が初めての方も、安心してご相談ください。
あなたの「治って嬉しい顔」を見るために、誠心誠意サポートさせていただきます。

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