江戸時代の女性が実践した「美と健康」|現代にも役立つ江戸の養生・5

江戸の女性の美と健康|髪・肌・姿勢を整える秘訣

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「美は一日にしてならず」とはよく言ったもので、美しさを保つためには日々の積み重ねが大切です。
現代女性の美意識も高いものがありますが、江戸時代の女性たちも美に対する意識は高く、様々な工夫を凝らしていました。

現代の私たちが憧れる美しい髪、健やかな肌、そして優雅な姿勢。
じつは江戸時代の女性たちもこれらを大切にし、独自の「美養生」を実践していました。

化学製品がなかった時代だからこそ、自然素材を活かした美容法や、身体の使い方に工夫を凝らしていたのです。

今回は、江戸時代の女性たちが取り入れていた美の習慣を紐解きながら、現代のライフスタイルに活かせるヒントをご紹介します

江戸時代の女性が実践していた「美養生」とは?

江戸時代の女性は、化粧やスキンケアだけでなく、食事や日常の習慣を通じて美を保つことを意識していました。

現代のように化学的な化粧品や美容サプリはなくても、彼女たちは自然の力を活かし、健康的な生活習慣を身につけることで美しさを維持していたのです。

例えば、「身体を冷やさない」「自然のものを食べる」「姿勢を正しく保つ」など、東洋医学の考え方に基づいた生活を送っていました。

これらは現代においても十分に活用できる知恵であり、私たちの美と健康に役立ちます。

髪を美しく保つ秘訣 ― 椿油・櫛・洗髪の工夫

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江戸時代の女性の髪は、黒く艶やかで美しくまとまりがあるのが特徴でした。

その秘密は、毎日の手入れにあります。

■椿油でのヘアケア
椿油は、江戸時代の女性たちの間で広く愛用されていた天然のヘアオイルです。
乾燥や紫外線から髪を守り、ツヤと潤いを与えてくれます。
現代でも、ヘアオイルやトリートメントとして活用できます。

■櫛を使ったブラッシング
江戸時代の女性は、木製の櫛(特につげ櫛)を使って丁寧に髪を梳かしていました。
これにより、髪の絡まりを防ぎながら、頭皮の血行を促進し、髪の健康を維持していました。

■米のとぎ汁や草根木皮での洗髪
シャンプーがなかった時代、女性たちは米のとぎ汁や、クルミの皮、茶葉の煮出し液を使って髪を洗っていました。
米のとぎ汁には天然の保湿成分が含まれており、髪をしっとりと保つ効果があります。

肌を整える「米ぬか」「豆乳」のスキンケア法

江戸時代の女性たちは、ナチュラルな美容成分を活用してスキンケアを行っていました。

■米ぬかの洗顔
米ぬかには、ビタミンEやミネラルが豊富に含まれており、肌をしっとり滑らかにする効果があります。
江戸の女性たちは、米ぬかを布袋に入れて水に浸し、それを顔や体に塗ることで、美白と保湿を両立していました。

■豆乳を使ったパック
豆乳にはイソフラボンが含まれており、肌のハリや潤いを保つのに役立ちます。
現代でも、豆乳を使った化粧水やパックが販売されていますが、江戸時代の女性は手作りの豆乳パックを使って肌を整えていました。

姿勢が美しさを決める!江戸女性の歩き方と体の使い方

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美しい姿勢と歩き方は、女性の印象を大きく左右します。
江戸時代の女性たちは、着物を美しく着こなすために、背筋を伸ばし、内股で歩くことを意識していました。
また、日常生活の中でも、体の使い方に気を配り、美しい所作を身につけていました。

■草履や下駄で歩く習慣
江戸時代の女性は、現代のようなクッション性の高い靴ではなく、草履や下駄を履いていました。
これにより、自然と足裏の筋肉が鍛えられ、姿勢が美しくなっていました。

■和服が生み出す正しい姿勢
和服を着ると、背筋が自然と伸び、肩の力を抜いて歩く習慣が身につきます。
また、着物の帯が腰回りを固定するため、体幹を意識した動きが求められます。

■腹式呼吸を活用
東洋医学では、呼吸が健康と姿勢に大きな影響を与えると考えます。
江戸時代の女性は、深い呼吸を意識しながら歩くことで、リラックスしつつも美しい姿勢を保っていました。

現代にも通じる江戸の美容法をライフスタイルに取り入れよう!

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江戸時代の女性たちが実践していた美容法は、どれも自然の力を活かしたものばかり。
現代においても、これらの知恵を取り入れることで、ナチュラルな美しさを手に入れることができます。

今日からできる江戸の美容法。

・椿油や米ぬかを使ったヘアケア・スキンケアを試してみる

・下駄や草履を履く機会を増やし、足裏を鍛える

・和服や帯の着付けを体験し、姿勢を意識する

・深い呼吸を意識して、日常の動作を美しく整える

以上、江戸時代の女性たちは、限られた環境の中で、知恵と工夫を凝らし、美しさを追求していました。

彼女たちの美容法は、自然の恵みを活かし、心身の健康を重視するもので、現代の私たちにとっても参考になるものがたくさんあります。

江戸時代の美容法を参考に、あなたも内側から輝く美しさを目指してみませんか?