あなたの体質タイプと養生法|鍼灸師による東洋医学・6
東洋医学での体質タイプとその養生法
私たちの体調は、気温やストレス、食事などさまざまな要因で変化します。
東洋医学では、体質をいくつかのタイプに分け、それぞれに合った生活習慣を実践することで健康を維持する考え方があります。
体質とは「生まれつきの体格や体質、生活習慣などによって形成された、心身の状態の傾向」を指します。
体質は、病気のかかりやすさや症状の現れ方、回復力などに影響すると考えられています。
今回は、代表的な体質タイプ(気虚、血虚、陰虚、陽虚、気滞、血瘀)について解説し、簡単なセルフチェックで自分の体質を知る方法を紹介します。
また、それぞれの体質に合った食事や生活習慣についてもお伝えします。
代表的な体質タイプ
東洋医学では、体質とは生まれつきの要素に加え、生活環境や習慣によって作られるものと考えます。
とくに、”気・血・水” のバランスが健康を左右するとされ、これが崩れると体調不良の原因になります。
体質のタイプは大きく分けると以下の6つです。
気虚(ききょ):エネルギー(元気)不足タイプ
血虚(けっきょ):血が不足しやすいタイプ
陰虚(いんきょ):体の潤いが不足するタイプ
陽虚(ようきょ):冷えやすく代謝が低いタイプ
気滞(きたい):ストレスが溜まりやすいタイプ
血瘀(けつお):血流が悪くなりやすいタイプ
あなたの体質タイプをチェック
以下の項目で自分の体質の傾向を簡単に知ることができます。
当てはまる項目が多いものが、あなたの体質の特徴かもしれません。
気虚タイプ
・疲れやすい
・風邪をひきやすい
・食後に眠くなる
・声が小さくなりがち
血虚タイプ
・顔色が青白い
・めまいや立ちくらみが多い
・乾燥肌や髪がパサつく
・爪が割れやすい
陰虚タイプ
・ほてりやすい
・口が渇きやすい
・便がコロコロしている
・寝汗をかくことがある
陽虚タイプ
・手足が冷えやすい
・朝起きるのがつらい
・お腹を壊しやすい
・温かい飲み物が好き
気滞タイプ
・ストレスが溜まりやすい
・胸がつかえる感じがする
・ため息が多い
・生理前にイライラしやすい
血瘀タイプ
・肩こりや頭痛が多い
・唇の色が暗い
・皮膚にシミやアザができやすい
・足がむくみやすい
体質タイプ別の養生法
気虚タイプの養生法
食事:
エネルギーを補うために、山芋や鶏肉、かぼちゃなどを積極的に。
運動:
無理をせず、軽いストレッチや散歩を取り入れる。
生活習慣:
しっかり休息をとることが大切。
血虚タイプの養生法
食事:
レバーやほうれん草、なつめを取り入れる。
運動:
軽めのヨガやストレッチで血の巡りを促す。
生活習慣:
規則正しい生活を心がけ、睡眠をしっかりとる。
陰虚タイプの養生法
食事:
梨や豆腐、山芋など水分を補う食材を。
運動:
激しい運動を避け、ゆっくりした動作の運動を。
生活習慣:
夜更かしを避け、こまめに水分補給を。
陽虚タイプの養生法
食事:
羊肉や生姜、シナモンなど体を温める食材を。
運動:
適度に筋肉を動かし、血流をよくする。
生活習慣:
冷たいものを避け、温かい飲み物を意識する。
気滞タイプの養生法
食事:
柑橘類やミント、香味野菜を活用。
運動:
気を巡らせるために、ウォーキングや深呼吸を。
生活習慣:
リラックスする時間を持ち、ストレス解消を心がける。
血瘀タイプの養生法
食事:
黒豆や納豆、玉ねぎなど血行をよくする食材を。
運動:
ストレッチやマッサージで血流を改善。
生活習慣:
長時間同じ姿勢を避け、適度に体を動かす。
東洋医学の診断方法:四診
東洋医学では、四診と呼ばれる四つの方法で患者さんの状態を把握します。
西洋医学とは異なった切り口でカラダ(症状や状態を含む)をみていることが分かります。
望診(ぼうしん):
顔色や体格、舌の状態などを観察します。
聞診(ぶんしん):
声のトーンや呼吸の状態、体臭などを聞きます。
問診(もんしん):
症状や生活習慣、既往歴などを質問します。
切診(せっしん):
脈を触れたり、お腹を押さえたりして状態を把握します。
まとめ
東洋医学的な体質を理解し、それに合った養生法を実践することで、心身のバランスを整え、健康な状態を維持することができます。
自分の体質を知り、それに合った食事や生活習慣を取り入れてみてください。
あくまで無理のない範囲で、試しながら養生法を取り入れてみましょう。
体質に合ったセルフケアを続けることで、日々の健康がより安定するはずです。
良い変化が出れば、そのケアがあっている証拠です。
また、体質(体の状態)は、年齢や生活環境によって変化することがあります。
定期的に自分の体質を見直すことも大切です。
もし、体質について詳しく知りたい場合や、体調に不安がある場合は、当院にお気軽にご相談ください。