やはりセルフケアだけでは足りません…

セルフお灸と鍼灸院の施術の違い

セルフケアと鍼灸院・写真1
体質改善のため、お家で自分でお灸をすえる人も少なくないです。
このようなセルフケアは、自分でできて簡便でかつ経済的にも優しいため継続するにはもってこいな方法です。
当院でも「家でもお灸したい」と言われたら、おススメのツボをご指導しています。

また、体質改善や慢性病対策は、どのような治療を行っても改善するにはある程度の期間が必要です。
そういう意味でもセルフケアの意義は本当に大きいです。

ただし、
ではセルフケアだけで全て改善するかというとそれもなかなか難しいと考えます
鍼灸院での施術も重要である理由を説明しますのでお読みください。

セルフケアのメリット

セルフケアと鍼灸院・写真2
セルフケアをするメリットを以下に3つ挙げます。

自分で体にできることがある

必要な箇所をしっかりとケアすることで、自分の体づくりに自分で関われるという自己肯定感が高まります。

継続がしやすくコストを抑えられる

家でできるセルフケアなら、時間やお金を節約しながら、習慣として続けやすくなります。

体の声が聴ける

セルフケアを実践することで、体のサインに敏感になり、今まで気づかなかったような自分の体への理解が深まります。
その結果、たとえば病気になる前に対策する力が養われていきます。

鍼灸院での施術のメリット

セルフケアと鍼灸院・写真3
鍼灸院でプロに施術を受けることには、セルフケアでは得られない多くのメリットがあります。

症状の根本原因にアプローチ

セルフケアでは「肩が凝っているから肩にお灸をする」のように、主に症状そのものに対してお灸することが多くなります。

一方、鍼灸院では、経験豊富な鍼灸師が患者さんの体調や症状を詳細に聴き適切な施術を行います。
脈診や腹診、舌診などの東洋医学特有の鑑別方法を用いることで、体全体のバランスを評価し、根本的な原因を特定します。
その結果、患者さんの個別の状態に合わせた最適なツボを選び、鍼や灸を用いて的確に刺激を与えることが可能です。

効果的なツボを常に狙える

セルフケアだとどうしても「この辺かな?」と自己判断でツボを探すことになります。

一方、鍼灸院では、熟練した鍼灸師が持つ技術により、ツボへの刺激を正確に行います。
鍼の深さ・角度・方向、お灸の温度や施灸時間など、これらすべてが治療効果に影響します。
とくに鍼灸師が行う鍼の操作は、セルフケアでは再現できない高度な技術です。
例えば、経絡に沿った鍼の挿入や、特定の筋肉や神経へのアプローチは、専門知識と熟練が必要です。
セルフケアでは、これらを正確に再現することは困難です。

鍼(はり)と灸(きゅう)の相乗効果が得られる

セルフケアではお灸が主になります、鍼灸院では鍼と灸を組み合わせた施術を行うことでより効果を発揮します。

安全性の確保

鍼灸院では、安全性を最優先に考えた施術が行われます。
鍼の使い捨てや消毒の徹底など、感染リスクを防ぐための適切な対策が施されています。
また、施術中に万が一異常が発生した場合でも、鍼灸師が迅速に対応できます。
一方、セルフケアの場合、誤った場所への施灸や火傷のリスクがあります。

リラクゼーションとメンタルケアも同時にできる

鍼灸院での施術は、ただ体に刺激を与えるだけではありません。
静かな空間で施術を受けること自体が、リラックスやストレス解消の効果を生みます。

セルフケアの質を上げるアドバイスがもらえる

鍼灸院では、プロがその人に合ったセルフケア方法やツボをアドバイスさせていただきます。

セルフケアと鍼灸院での施術のまとめ

セルフケアのお灸は、自宅で手軽に行える利点があり、鍼灸治療の補助として非常に有用です。
健康な人が、健康増進や病気予防を目的にするならセルフケアのお灸だけでも十分でしょう。

ただしたとえば、妊活で子宝体質になっていきたいとかストレスからくる自律神経の乱れが続いているとか、治療のためにはセルフケアのみだと心もとないです。
鍼灸院での施術は、専門家の診断と技術、精度、安全性、トータルケアの提供といった点で大きな優位性があります。

患者さんにはセルフケアを積極的に取り入れていただきつつ、定期的に鍼灸院を訪れていただくことで、より効果的に成果を実感していただけると思います

鍼灸院の治療をメインに、セルフケアのお灸をサブとして、両方の良さを活用してほしいです。
鍼灸院に週1回や2週間に1回通いながら、その間をセルフケアすることでより完成度の高い効果をだせます