カロリー制限は正常眼圧緑内障に有効

『カロリー制限は正常眼圧緑内障における神経変性を改善』

カロリー制限と正常眼圧緑内障|鎌ヶ谷市(新鎌ヶ谷)の鍼灸院

カロリー制限が正常眼圧緑内障に良い効果をもたらす可能性がある研究について書きます。

『カロリー制限は正常眼圧緑内障モデルマウスにおける神経変性を改善する』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27669894

【要旨】  
正常眼圧緑内障マウスを、一日おきの絶食をさせることによって網膜の神経細胞のダメージが抑制できるかを検討した。
その結果、一日おきの絶食をしたマウスでは、神経細胞死が減り、視機能が保たれることが分かった。
カロリー制限は、生活習慣病対策だけでなく、緑内障進行の抑制にも有用である。

カロリー制限について

カロリー制限と正常眼圧緑内障|鎌ヶ谷市(新鎌ヶ谷)の鍼灸院

「カロリー制限」とは、摂取するエネルギーを制限することです。
摂取するエネルギー量が「カロリー」としてあらわされます。
ヒトを含む動物は、摂取した食事をエネルギーに変え、それを消費して活動します。
エネルギーを取り過ぎれば体脂肪として蓄積され肥満になります。
反対に、消費するエネルギーの方が多ければ、体重は減少します。
ですので、摂取するエネルギーを減らし(=カロリー制限)、消費するエネルギーを増やすのが生活習慣病対策となるわけです。

緑内障の話とは少し離れますが、カロリー制限は「脂分を少なくしてカロリー量を減らす」よりも「質の良い脂分は取っても良く、糖質を減らすことでエネルギー量を調整する」方が、肥満対策効果は高いという研究が出ています。
何を食べるかも大事ということですね。

当院の考察

カロリー制限と正常眼圧緑内障

マウスの結果を人間に当てはめて良いかという疑問はあります。
しかし、ヒントになると考えます。

今回の研究は「絶食」というカロリー制限をしています。
これは東洋医学(鍼灸)では「胃腸を休める」と解釈しても良いでしょう。
人間でも「断食」流行っていますよね。
胃腸(内臓)の負担をぐっと減らすことで、パソコンの「再起動」のように、リセットされて活性化される効果が期待できます。
それが緑内障にも良いという研究です。
しっかりお腹を空かせること=胃腸のポテンシャルを発揮できるように生活すること、で神経細胞へのダメージが減らせるというのです。

鍼灸では、目に関係する臓腑は「肝」「腎」とよく言われます。
ただし、年齢が若い人が緑内障などの目の病気を発症するケースなどもあり、それは「脾」とも関係していると言われています(もちろん脾の病証がある前提です)。

脾は「飲食物からエネルギーを作って体全体を養っている」臓腑ですので、脾の不調はエネルギー不足(気虚)を生みます。
気虚が血虚を生んで目の神経を養うことができなくなると、目の神経がダメージを受けやすくなると考えられます。

鍼灸で脾虚を補うことができます。
絶食した胃腸のような「しっかり働ける胃腸づくり」に貢献できるので、この面からも鍼灸は緑内障に良いと言えます。
具体的に使うツボでは「足三里」「太白」「中脘」「脾兪」あたりが、脾を補うツボに該当します。

もちろん、目そのものに良いツボ(例えば「太陽」「風池」など)もやはり重要ですし、血虚があれば「膈兪」「三陰交」なども有効です。
このように、何でもかんでも脾に原因を求めるのではなく、全身の状況を見て判断して、施術することで有効な治療になります。

生活習慣改善もしながら、さらに鍼灸も加えることで緑内障に対抗していきましょう!

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