2018年4月
鍼灸師の流派の実際
鍼灸師の流派の実際
少々古いですが『第5回鍼灸業態アンケート(医道の日本誌、2011年)』から。
これによると、治療方法として「東洋・西洋医学を折衷している派」が最多で43.3%います。
半数弱ですね。
「西洋医学派」は19.3%・「経絡治療派」は17.8%・「中医学派」は3.1%…などとなります。
自分が中医学を学んでいることもあり、「中医学を標榜している人が少ないな~」というのが第一印象。
ただこれは、「中医学」という名称が出てこないで中医理論が「標準的な東洋医学観」になっているのが原因かもと感じました(あくまで勝手な解釈ですが…)。
大きな数字に戻ると折衷派が最多というのは、実際の治療においてたとえば、基本的には経絡治療的な施術をしつつ、時々に応じて西洋医学的視点で施術したりもする…などの「ごちゃまぜ治療」をしている人が多いということでしょう。… 全文を読む
鍼を刺すとなぜ痛みが和らぐのか?
鍼治療の局所鎮痛の仕組み
鍼治療に鎮痛効果があることは長く言われてきました。
「EBM(証拠に基づく医療)」が重要と言われるなかで、鍼の局所の鎮痛が現代医学的にどのような仕組みで効果を発揮するのかは分かっていませんでした。
もちろん、仕組みは定かではない状況でも、世界中で鍼治療は行われていますので、我々鍼灸師は「経験的に効果が認められていることがイコール実践の根拠」としてきました。
私のような一介の鍼灸師にとっては「日々の実践で効果があることが大事」ですので、それ以上のうんちくはなくてもよいのですが、最近の知見で局所の鎮痛がなぜ起こるのかは分かってきているので、紹介します。
鍼の局所鎮痛に関する論文
『鍼刺激による局所鎮痛にアデノシンA1受容体が関与している… 全文を読む
鍼のシリコン加工
ディスポ鍼とシリコン肉芽腫
私が鍼灸学校に通っていた頃(15~20年ほど前)多くの鍼灸院での使用鍼は、「滅菌しての再利用する鍼」を「使い捨て鍼(ディスポ鍼)」が駆逐目前という時代でした。
「鍼で肝炎やエイズにはなりませんよ、だって使い捨てだから」というポスターを張っているところも少なくありませんでした。
そのような時代を経て、今では感染に対する恐れはあまり聞きません。
それくらいディスポ鍼の使用が当たり前になってきたからでしょう。
そのディスポ鍼は、各社様々な特徴をうたう商品があります。
そのなかでも今回はシリコン加工について。